【アルヴィス誕生100周年】オーナーズ・ミーティングに集うアルヴィス 12/50からTA21まで 前編
公開 : 2020.12.06 07:25 更新 : 2021.03.05 21:04
アルヴィスTA21ドロップヘッド・クーペ(1952年)
オーナー:マルコム・キンデル
クラッシクカーへ情熱を傾けるオーナーは少なくないが、マルコム・キンデルのTA21ドロップヘッド・クーペに対する思いは、人並みならないものがある。理想のガレージを求めて、アルヴィスのために数度の引っ越しもしているほど。
「まだ完成していませんが、30年と3か月のレストアも終わりに近づいてきました。1990年に、似たモデルと一緒に購入したんです。当初は、今のクルマをドナーにし、別のクルマをレストアするつもりでした」
「しかし1952年のロンドン・モーターショーで、ボディを製造したティックフォード社のために展示されたクルマだと判明。計画は一変しました」。とオーナーのキンデルが振り返る。
「解体工場にあるような、普通なら絶対に選ばないような酷い状態でした。30年かけて修復し、ボルトとナットもすべて交換しています。前の所有者はシャシーをレストアしていて、丁寧に仕事されていたのが救いでした」
「自分はすべての部品を取り外して、修復し、必要になるまで防虫剤と一緒に保管してきました。フロントフェンダーはなく、エンジンはスクラップヤードの山の中から拾い出しました」
「エンジンのリビルトを終え、最初のドライブでガスケットからエンジンオイルと冷却水が噴出。修復をした職人は、ヘッドをちゃんと締めていなかったんです。さらにカムシャフトも固着。結局、エンジンを再び降ろすことに」
「友人と一緒に自分でリビルトし直し、気持ちの良い朝のドライブを楽しんでいます。ほかに何もする余裕がないほど、アルヴィスにすべてを費やしてきましたね。まるで何かと戦うように」
「ライフワークといえます。パブでビールを飲んで、のんびり人生を楽しむこともできたでしょう。でも、これにすべてを捧げると決めたんです」
残りの4台は後編にて。