【アルヴィス誕生100周年】オーナーズ・ミーティングに集うアルヴィス 12/50からTA21まで 後編

公開 : 2020.12.06 18:25  更新 : 2020.12.08 00:18

グレーバー・アルヴィスTD21カブリオレ(1964年)

オーナー:ダン・ゲオゲガン

ミーティングの会場となったビスター・ヘリテージは、アルヴィス・ファンが定期的に集う場所になっている。会場で来場車を出迎えた車両の中には、グレーバー・アルヴィスTD21カブリオレが並んでいた。

グレーバー・アルヴィスTD21カブリオレ(1964年)
グレーバー・アルヴィスTD21カブリオレ(1964年)

「オリジナルは、ワイパーブレードを発明したアメリカ人実業家のために1964年に作られました。1965年のジュネーブ・モーターショーで展示されています」。とオーナーのダン・ゲオゲガンが説明してくれた。

「彼らは自分たちの製品を告知するため、世界中を巡っていました。そこでグレーバーとも出会ったのでしょう。結果として生まれたのが、グレーバー・カブリオレ。3台作られたTD21カブリオレの、トップバージョンです」

「サスペンションで車高を下げ、ボラーニ製のワイヤーホイールを履いています。ステアリングホイールはナルディで、トランスミッションはZF製の5速マニュアル」

「初代オーナーのグレーバーは、多くの自動車コレクションを所有していましたが、最後まで残されていたのがアルヴィスでした。10年前に夫人が亡くなり、売却されます。ニューヨークのガレージに保管されていました」

「一度このクルマの情報を得ていたのですが、当時は買うチャンスがなかった。3年後、自分のものにできました。オーナーとしては3番目ですが、ユーザーとしては2番目です」

「最初の自動車旅行は、スイスでのグレーバーのイベント。5日間で、3200kmくらい走りました。今まで運転したアルヴィスでも、一番新車に近い状態です。まだ3万2000kmくらいしか走っていないんです」

「このアルヴィスは、1960年代の状態を保っています。完璧とはいえませんが、いまの好きな状態を変えたいとも思いません。匂いややれ感、スタイルなど」

「わたしの夢のクルマなんです。子供の頃から欲しいと思っていました。ここまで珍しいクルマだとは、理解していませんでした。現存するのは1台限り。夢を叶えることができました」

アルヴィスTF21(1967年)

オーナー:コリン・クリフトン-ブラウン

1967年製のTF21は、会場のビスター・ヘリテージに集まったアルヴィスの中で、最も最年少の1台。「2年前に、ヒストリック・オークションで手に入れました。以前からアルヴィスを探していたんですよ」。と話す、オーナーのクリフトン-ブラウン。

アルヴィスTF21(1967年)
アルヴィスTF21(1967年)

「晩年のモデルが欲しかったので、TFシリーズは条件でした。約100台が製造されていて、これは55番目。本当は100番目のクルマが理想で、そのオーナーにもオークションで会いました。彼は、数年前に売却したというんです。もし知っていたら、買っていましたよ」

「何台かのコレクションを所有していますが、アルヴィスはこれ1台。ほぼ標準の姿で、珍しことにスチール製のホイールを履いています。TFの場合、多くがオプションのワイヤーホイールなんです」

「ATではなく、MTという点も珍しい。1速と2速の不具合も治り、今は素晴らしい状態。新車時はスイスに届けられたということ以外、所有歴は明らかではありません」

「ウインドウには、スイスの高速道路の通行証が貼られたまま。右ハンドルで、スピードメーターはkm表示。サイドミラーは助手席側だけという点も、海外で暮らしていたことを示す証拠ですね」

「いずれ、再塗装したいと考えています。何層も塗り重ねられ、今は剥がれかけの状態です。充分に下処理が施されたいなかったのでしょう。塗料の膨らみやダマがあちこちにあります」

「本来は、地金に戻して塗るべき。納得できる仕上がりになるはずです」

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