【アメリカの反応は上々】新型ホンダ・シビック、なぜアメリカで発表? 若年層にアピール 現地のリアクションは
公開 : 2020.11.20 05:50 更新 : 2022.03.25 18:51
第11世代のホンダ・シビック・セダンが北米で発表されました。若年層に向けた仕掛けがたくさん。実際、アメリカの若年層に響いているのかを調べました。
若者へのアピール? 驚きのTwitch発表
2021年春発売予定のセダンに続いて、ハッチバックやパフォーマンス重視のSi、そしてタイプRの登場も予定されている新型シビック。
ホンダは第11世代シビックを発表する手段として、Twitchを活用する方法を選んだ。Twitchって何? と思った読者の方も多いだろう。
筆者もこのたび初めてTwitchの存在を知った。
Twitchは北米を中心に世界の若者たちが利用するゲーム配信(ストリーミング)サービスで、同様のサービスにmixer(Amazon傘下)があるが今年7月にサービスを終了。現在は1日平均1750万人が訪れるTwitch一強である。
ホンダもプレスリリースの中で、「ホンダはeスポーツチームとリーグの両方をサポートする北米で最初にして、唯一の自動車メーカーでもある。eスポーツとゲームの世界で強力な存在感を発揮するTwitchを通じて若いバイヤーにシビックのグローバルな魅力をアピールしたい」と述べている。
昨年、トーランスで取材をさせてもらったシビックオーナーのアメリカ人青年はこう話してくれた。
「Twitchで新車を発表するなんてホンダらしいね! セダンの姿からハッチバックやタイプRの姿を想像するとワクワクするね」
「アメリカにはシビックファンの若者がたくさんいるよ。ちょっと古いタイプR(EK9)なんてすっごく人気だよ」
「ホンダ車用のアフターパーツは種類も豊富。いじる楽しさがシビックやインテグラにはあるよね」
昨年でアメリカでの事業開始から60年を迎えたホンダ。これまでシビックはどんな歴史をたどって来たのだろうか?
アメリカの「良いクルマ」概念変えた
ホンダがアメリカで事業を開始したのは1959年。二輪車の販売からスタートして10年後に初めてハワイで4輪車(N600)を販売、翌70年からは本土でもN600の販売を始めている。
1982年には日本の自動車メーカーとして初めてアメリカでの4輪車生産を開始しており、苦労に苦労を重ねてわずか8人で始めたアメリカでの事業開始から60年を経た現在は、4輪車はもちろん航空機(ホンダジェット)までを生産する体制となった。
2018年にはアメリカでの4輪車累計生産台数が2500万台を突破している。
シビックとアメリカの関係も非常に深い。シビックがアメリカ市場に登場したのは1973年。以来、2020年までに1200万台が販売されている。
そしてアメリカにおけるシビック成功の礎を築いたのは言うまでもなくCVCCエンジンである。
1973年半ばから始まった第一次オイルショックはアメリカの自動車業界にも非常に大きな打撃となった。
それはアメリカ人にとって自動車に関する価値観を変える大きな転機ともなった。その決定版ともいえるのがマスキー法(大気清浄法)の制定である。
米国ホンダは他社に先駆けてマスキー法が定める厳しい排出ガス規制値をクリアしたエンジン「CVCCエンジン」の開発に成功した。
CVCC搭載の初代シビック(1975年モデル)はEPA(米国環境保護庁)の認定をクリアしただけではなく、燃費テストにおいても1位を獲得している。