【詳細データテスト】ボルボV90 T6リチャージ AWD Rデザイン スポーティなルックス 洗練の走り 極上の快適さ

公開 : 2020.11.21 11:50  更新 : 2020.12.05 00:42

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

V90はドライバーを夢中にさせるというよりも、よりリラックスした走りかたに向いている。運動性に光るものを求めるより、快適性や扱いやすさに主眼を置いたクルマだ。そうしたことを踏まえて走らせると、このクルマのキモを堪能するにはそのほうがずっといいことがわかるだろう。

もとから軽いステアリングにより、全長4.9mものボディでもタイトなスポットにおける低速での取り回しは楽。しかも、正確かつ直感的で、開けた道でも自信を持って操作できる。

ローダウンサスペンションや大径ホイールがスポーティなルックスを演出するが、このV90は間違いなくコンフォート志向の長距離クルーザーで、その点では満足できるクルマだ。
ローダウンサスペンションや大径ホイールがスポーティなルックスを演出するが、このV90は間違いなくコンフォート志向の長距離クルーザーで、その点では満足できるクルマだ。    JOHN BRADSHAW

ローダウンしてもコンフォート寄りであることが際立つサスペンションは小さな路面不整ならキャビンに伝えてこないが、ボディの動きはきっちりと制御する。また、コーナリング中の衝撃でスタビリティが失われるのも最小限に抑えてくれる。

また、245セクションのタイヤはシャシーと協調して、高いレベルのグリップとスタビリティを実現。ドライバーのコンフィデンスを衰えさせるような心配は一切ない。

もっともスポーティなパワーモードを選び、ずんぐりした短いセレクターレバーをBレンジに入れて回生ブレーキの効きを強めれば、たしかに多少はホットなドライビングができるようになるだろう。

しかし、ハードにプッシュしすぎると、シャシーのグリップ限界を試す甲斐はあまりないことを知らされる。そして、それまで抑えが効いた動きをみせていたボディが、かなりふわつき、大きくロールするようになる。

ボルボオーナーの大多数が、スポーティな性質の欠如を気にすることはないと思う。それでも、われわれとしてはそれを伝えなければ手落ちになる。

しかし、走りの楽しさや熱中度を重視するユーザーがいるいっぽうで、V90のスマートなルックスや卓越した実用性、ボルボが誇る安全性や抜群の快適性に魅力を感じるユーザーも同じくらい多いはずだ。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事