【ジャガーFタイプとの比較】トヨタGRスープラ(3)長期テスト 見えてきた特徴
公開 : 2020.11.28 11:50 更新 : 2021.07.12 18:56
路面の変化に敏感 ステアリングの薄い感覚
Fタイプは、コーナーでパワーを掛けるとテールが反応する。GRスープラは、ノーズのラインがやや膨らむ。酷いと感じるほどではないけれど。
またGRスープラは、路面の変化に少し敏感。サスペンションへ徐々に負荷がかかる半径の大きい高速コーナーでは、不意にオーバーステアが顔を出すこともある。シャープな身のこなしを感じ取れる瞬間ではある。
もう1つは、ステアリング。重さはちょうどよく、レシオも遅いわけではないが、不自然なリモート感がある。手のひらへの感覚が薄い。普通に運転している限り、ジャガーやポルシェ、BMW Mモデルより穏やかな性格付けだ。
Fタイプの操舵感は、より軽快で繊細。手応えもあり、コミュニケーション力に優れている。軽量な4気筒エンジンが、ハンドリングをさらに高めている。根本的な違いでもある。
GRスープラのサスペンションは、もっと磨き込めるとも思う。ジャガーは20インチのホイールを履いており、乗り心地では及ばなかった。
全体的な印象では、ギリギリまで攻め込まない限り、GRスープラは大胆なスタイリングに相応しい走りを味わえる。ジャガーのように、似た構成で別の仕立てにまとめられることも確かめられた。
トヨタGRスープラはコンパクトなボディで、挙動が予想しやすい。カーブの続く道を走り抜ける充足感も高い。30年ぶりのスープラであるということを考えると、感心せずにはいられない。
テストデータ
気に入っているトコロ
タイヤ:パイロット・スーパースポーツからミシュラン・パイロットスポーツ4Sへ変わったが、耐久性も高く挙動も漸進的。グリップに優れ、ウェット路面でも安心感が高い。
気に入らないトコロ
トランスミッションの設定:スポーツモードは少々過激すぎる。いつも5500rpmまで回したいわけではない。また、ZF社製のATなら、もっとスムーズに変速もできるはず。
テスト車について
モデル名:トヨタGRスープラ・プロ(英国仕様)
新車価格:5万4340ポンド(739万円)
テスト車の価格:5万4960ポンド(747万円)
テストの記録
燃費:11.0km/L
故障:なし
出費:なし