【エントリーグレードがイイ】スズキ・スイフト・デュアルジェット・ハイブリッド4WDへ英国試乗

公開 : 2020.11.30 10:25

市街地では従来どおり好感触

スイフトの都市部での走りは、従来どおり良い。コンパクトなボディが生む運転のしやすさと軽快な機動性が、直線加速の力不足を補ってくれる。運転支援システムも、有効に機能する。

大きな隆起部分などを除いて、乗り心地もおしなべて良い。着座位置はやや高く、隣車線のSUVやバスから感じる圧迫感も軽めだ。

スズキ・スイフト・デュアルジェット・ハイブリッド4WD SZ5(英国仕様)
スズキスイフト・デュアルジェット・ハイブリッド4WD SZ5(英国仕様)

ステアリングホイールにはテレスコピック(前後方向)の調整がなく、筆者の体型の場合、タイトコーナーでは少々操舵しにくい。しかしシートのスライド量は充分で、快適に過ごせるだろう。

回生ブレーキによる強めの減速感に慣れれば、マイルド・ハイブリッドの特性を活かした運転は、すぐに掴める。好燃費を狙うなら、丁寧なアクセル操作は不可欠。エアコンのこまめなオン・オフも、燃費の面では有利に働く。

スイフトのインテリアは、最上級トリムグレードのSZ5であっても、ライバルより洗練度や高級感では劣る。プラスティック製の部品は厚みが薄く、傷も付きやすそうだ。

ダッシュボードには加飾トリムパネルが付かず、エアコンなど操作系のレイアウトも特に優れるわけではない。ラジオのボリュームは、インフォテインメント・システム用モニターの横にあるタッチスクローラーで操作する。ボリューム用ノブはなくなった。

音声認識システムや、車線維持支援システムなどのボタンは、ステアリングホイールの奥にあるノブに集約。インフォテインメント・システムのグラフィックや操作性は良いとはいえないが、スマートフォンとの連携機能が付いており、補完できている。

スイフトを選ぶならエントリーグレード

エントリーグレードのスイフトの場合、英国では1万4749ポンド(199万円)に設定され、1万7000ポンド(229万円)のフォードフィエスタと競争力の高い価格差が与えられている。緩やかに市街地中心で走るなら、特に不満は感じないだろう。

しかし1万8749ポンド(253万円)のSZ5の場合、立場は危うくなる。限られた場面で恩恵が受けられるであろう四輪駆動システムは、小さくない重量増を招いている。標準装備も、特にライバルに勝る内容とはいえない。

スズキ・スイフト・デュアルジェット・ハイブリッド4WD SZ5(英国仕様)
スズキ・スイフト・デュアルジェット・ハイブリッド4WD SZ5(英国仕様)

スズキ・スイフトを選ぶなら、エントリーグレードに近い、前輪駆動のMTモデルが丁度いい。ドライブトレインが軽量なためか、燃費も20.2km/Lと良好な数字が載っている。

高速道路では、少し頼りないかもしれない。しかし、都市部なら軽快なドライビングを楽しめるはずだ。

スズキ・スイフト・デュアルジェット・ハイブリッド4WD SZ5(英国仕様)のスペック

価格:1万8749ポンド(253万円)
全長:3840mm
全幅:1735mm
全高:1495mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:13.8秒
燃費:18.3km/L
CO2排出量:123g/km
車両重量:991kg
パワートレイン:直列4気筒1197cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:83ps/6000rpm
最大トルク:10.9kg-m/2800rpm
ギアボックス:5速マニュアル

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