【先代ノートと比較】新型日産ノート 変わったところ、変わらないところは 既存のユーザー約4割どこへ?
公開 : 2020.11.25 11:57 更新 : 2021.10.09 23:42
注目すべき「ハイブリッドだけ」な点
デザインやメカニズムは大きく変わったが、基本的なサイズ感や価格帯という点では、それほどの変化がなかったというのが今回のノートのフルモデルチェンジだ。商品力は確実にアップしていると言える。
そうした中で、筆者が最も注目すべき点がある。
それはハイブリッドの「eパワー」のみとしたパワートレインの編成だ。
つまり、ガソリン・エンジンだけのグレードが存在しないのだ。
先代モデルの時点で、ノートの販売の6割は、「eパワー」が占めるという。逆に言えば、残り4割のエンジン車ユーザーを切り捨てることになる。
旧型では、ハイブリッドではない、普通のガソリン・エンジン車は140~210万円ほどで販売していた。
ところが、新型ノートは、「eパワー」のみとなり、価格は約203万円から上という価格帯になった。
つまり、これまであった140~200万円という価格帯がなくなるのだ。
これはいったいどういうことなのか。
発表会では「電動化に力を入れる日産のメッセージとして、ノートをeパワーのみとした」といった旨の説明があった。
日産はエンジン車から電動車に移行してゆく、その象徴が新型ノートであるというわけだ。
明言はされなかったが、「エンジン車はない」ととれるコメントだ。
ハイブリッドである「eパワー」だけの販売となった新型ノート。
しかし、それでは旧型の140~200万円のガソリン・エンジン車を購入していた約4割のユーザーはどうなるのであろうか。
エンジン車ユーザーはどこに行く?
旧型の140~200万円のガソリン・エンジン車を購入していた約4割のユーザーはどうなる?
考えられるのは3つある。
1つは「ちょっと高くなるけれど、良いものですから、頑張って買ってください」と、エンジン車からeパワーに乗り換えてもらうという選択。
そして、2つ目は「今まで安いエンジン車を買っていた方は、マーチがありますので、そっちを買ってください」というもの。
そして最後は、「最初はメッセージでしたが、やはりニーズがありますから、ほとぼりが冷めたら後でガソリン車を追加します」という方策だ。
まあ、最後はあまり格好良くないけれど、クルマの販売はビジネスだから、当然なんでもあり。可能性がないとは言えないだろう。
どういう結論に至るのかといえば、結局は販売の数字次第ではなかろうか。
「eパワー」のみで、これまで通りに売れてくれるなら、それでよし。新型ノートが旧型ほど売れなくても、「マーチ」が補うのであれば、それでもいいはず。
まったく売れないようであれば、そこで初めて安価なエンジン車を投入するという選択肢が浮かぶ。
また、12月には「前後に備えた2つの強力なモーターで4輪を駆動する、本格電動4WD車」も発売されるという。
カスタムのAUTECHバージョンの発売も12月から。
新型ノートの売れ行きは、2021年に入ってからが本番ということだろう。
先代モデルが2017~2019年で3年連続暦年コンパクトカー販売台数ナンバー1、2018年暦年登録車販売台数ナンバー1という大ヒットしているだけに、新型モデルに対する期待は大きい。
2021年はどのような成績になるのかに注目だ。