【ご注意を】新型日産ノートのeパワー、誤解しがち リーフの電池とは違う eパワー4WDはアリアの技術応用?
公開 : 2020.11.27 05:50
新型日産ノートのeパワーについて、「ハイブリッド」としての厳密な定義を伝えます。またリーフの電池との関係性、eパワー4WDの予想まで膨らみます。
eパワーはハイブリッドではない?
日産は、三連休明けの2020年11月24日、新型ノートをオンラインで発表した。
今回のモデルチェンジでは、プラットフォーム(車体)の刷新、さらにeパワーが第2世代へと進化するなど、近年の日産コンパクトカーでは最大級の大転換である。
日産の内田誠社長が11月12日の2020年度上期決算発表で「まったく新しいコンパクトカーを年内に国内で発売する」と表明したように、「まったく新しい」というポイントが多数ある。
なかでも、注目は第2世代eパワーだ。
初代eパワーは2代目ノートのマイナーチェンジ要因として2016年に導入され、ノート大躍進の礎を築いた。
日産はeパワーを「リーフで培った日産のEV(電気自動車)技術を活用した、新しい電動車」という表現をしている。
電動車といえば、王道のプリウスがいる。プリウスは1997年に初代誕生以来、ハイブリッドという電動化技術を世界的に広めた。
自動車技術におけるハイブリッドとは、広義において、複数の種類の原動機を駆動に用いることを指す。
そのため、自動車技術領域では一般的にHEV(ハイブリッド・エレクトリック・ヴィークル)と呼び、トヨタはマーケティング用語としてHV(ハイブリッド・ヴィークル)としている。
では、eパワーとはなにか?
「レンジエクステンダー」ではない
eパワーについて、自動車技術領域では、シリーズハイブリッドの部類に属する。
シリーズハイブリッドの定義は、エンジンを発電機として用いて車載電池に蓄電し、駆動力はモーターによって行うこと、とされている。
繰り返すと、日産はeパワーについて「リーフで培ったEV技術を……」という枕詞をつけて説明することが多い。
そのため、ノートeパワーの登場の噂が市中に広まり始めた2016年中頃、自動車メディアや日産ディーラー、またユーザーの間では、eパワーはリーフ搭載の蓄電池をエンジンで蓄電するシステムという見方が広まった。
こうしたシステムは、一般的にレンジエクステンダーと呼ばれる。
例えば、BMW「i3」では排気量650ccの直列2気筒を車体後部に搭載するモデルが設定されていた。
ただし、2018年のモデル改良で、i3が搭載するリチウムイオン電池パックの電気容量が初期の33kWhから42.2kWhへと大きく拡大したことで、レンジエクステンダーモデルの生産は欧州では終了した。
これは、欧州で進むCO2規制において、フルEVが効果が大きいというBMW本社の判断である。
また、日本ではマツダが「マツダスモール商品群」と呼ぶBセグメントで、ロータリーエンジンを発電機として使うレンジエクステンダーが近年中に発売されることが決まっている。