【ご注意を】新型日産ノートのeパワー、誤解しがち リーフの電池とは違う eパワー4WDはアリアの技術応用?
公開 : 2020.11.27 05:50
ノート搭載の電池、リーフとは違う
多くの人が、eパワーをレンジエクステンダーだと思い込んだ理由は、やはりリーフの影響だ。
実際、2016年に日産本社で開催された、ノートeパワーのメディア試乗会で、技術的な説明で日産側は「リーフで培った……」とか「リーフと共通の……」という発言が目立った。
確かに、モーターやインバーターについては、リーフ向けとの技術的な共通項があるようだ。
また、未だに多くの人が勘違いしているのが、電池についてだ。
2016年のノートに始まり、「セレナeパワー」、「キックスeパワー」と続く初代eパワーで使われている、電気容量が約1.5kWhのリチウムイオン二次電池はパナソニック製であり、リーフ向けとはメーカーも電池特性も違う。
リーフ搭載の電池については2018年12月、当時の日産子会社オートモティブ・エナジー・サプライ(AESC:神奈川県座間市・現在は中国企業に売却されエンビジョンAESC)で電池製造の流れを詳しく取材したが、その際に筆者は同社関係者と、同社では製造していないeパワー向け電池に関しても意見交換している。
新型ノートでは、電気容量は1.5kWhを維持しているが、本稿執筆時点で供給メーカーや電池特性について技術詳細は日産から公表されていない。
eパワー4WDにアリアの技術応用?
では、第2世代eパワーのどこが優れているのか?
キーポイントは、高度な制御技術だ。
新型ノートのエンジンフードを開けると、電動化装置の背が低く、かなり小さくなったことが一目瞭然だ。
一体型インバーターにより質量で33%の軽量化と40%の小型化を行った。
また、モーターの実力としてトルクを従来比から向上。最大出力は80kWから85kWへ6%増、また最大トルクは25.9kg-mから28.6kg-mへ10%増となった。
注目されるのは、ホイールセンサーから路面状態を把握して、外力を大きく変動する荒れた路面での発電を重視すること。乗員の快適性を第一に考えた技術である。
さらに、初代との大きな違いは、後輪駆動モーターの出力が3.3kWから一気に50kWに上がったことだ。
アリアで採用する、電動四輪技術「eフォース」との技術応用とされている。
すでに試乗している日産関係者によると「雪道の安定性はもちろん、スポーティなドライブがワクワクする本格的な走りが楽しめる」と実体験を語ってくれた。
ボディサイズもキュッと引き締まった新型ノート。第2世代eパワーの大幅改良は、他社に対する強い差別化要因になることは間違いなさそうだ。