【なぜ二刀流やめた】新型スズキ・ソリオ 廃止のストロングハイブリッド マイルドHVに集約 背景にユーザー
公開 : 2020.11.27 11:50 更新 : 2020.12.04 09:18
ストロングHV、再導入の可能性あり
スズキの独自開発技術を満載し、メディアの中では高い評価があったストロングハイブリッド。
その反面、販売実績は思うように伸びなかった。
背景にあるのは、顧客層と価格だ。
今回の会見に同席した、取締役/常務役員/国内第一営業本部長の鈴木敏明氏はソリオとソリオバンディットの顧客層について次のように説明した。
年齢は30代から40代が主流で、そのうち6割を男性。また、ミニバンなどからダウンサイジングでの乗り換え需要が7割を占める。
つまり、より手軽で効率的なクルマとして、ソリオを検討する顧客が多く、結果的にリーズナブルな価格で実用的なマイルドハイブリッドの需要が主体となったといえる。
これに関連して、別の記者たちが、今後のストロングハイブリッド開発と市場導入のかの可能性ついて鈴木社長に聞いた。
鈴木社長は「ストロングハイブリッド(の販売)を止めたのではなく、コンパクトカーメーカーとして、どのようなストロングハイブリッドが向いているのか考えていく」
「他社の売れ方を参考にして、必要と判断できれば再導入するが、現状考えるとこのクラスではユーザー要望がない。まずは、販売動向を見ていきたい」と答えた。
さらに注目される発言もあった……。
EV化、スピードが加速気味と社長
鈴木社長は、ストロングハイブリッドの再導入に際して、トヨタと連携についても触れた。
「トヨタのハイブリッドを使う可能性もある。価格や車格などを考慮し、トヨタの(ハイブリッド関連)パーツを使って、スズキ独自の開発もあり得る」と今後の開発について含みを持たせた。
では、さらにその先、スズキの電動車の全体像はどうなっていくのか?
筆者は、スズキが2020年11月18日に公表した「スズキ環境ビジョン2050」に関連して、今後の電動化戦略について具体的な方策について聞いた。
鈴木社長は「マイルドハイブリッド、PHEV(プラグインハイブリッド)、EV(電気自動車)と、2050年に向けてステップを踏んでいく」
「ただし、昨今はEV化について、(各国の動きなどの)スピードが加速気味とも感じる」
「CASE(コネクテッド/自動運転/シェアリングなど新サービス/電動化)という観点で、今後どのように進めるべきか(社内で)議論している」として、具体的なモデル導入時期などは明らかにしなかった。
その上で、EV化することで車両価格の上昇、充電インフラの問題、また電池のリユースやリビルトなど社会全体で広い視野に立った議論も必要だと強調した。
時代の流れの中で、EV化を推進することは必要不可避とし、人と自然との折り合いを考えていくべきだとの姿勢を示した。