【クラウン・セダン終焉】SUVになったなら、どんなクルマに? ハリアーやアルファード/レクサス各車との関係は

公開 : 2020.11.29 05:45  更新 : 2021.10.11 13:49

「ミニバン」という2017年の提案

「SUVに似た=SUVではない」という意味で考えられるのがミニバンの可能性だ。

実は、2017年の東京モーターショーにおいてトヨタから「プレミアムサルーンの新しいかたち」のコンセプトカーが提案されている。

ファイン・コンフォート・ライド(2017年)
ファイン・コンフォート・ライド(2017年)    トヨタ

面白いのは、現行クラウンのコンセプトが発表されたのも、同じ2017年の東京モーターショー。

その隣に、新提案として「Fine-Comfort Ride(ファイン・コンフォート・ライド)」が発表されたのだ。

これは水素を燃料とする燃料電池車(FCV)の3列シートミニバン。

ただし、全高は1650mmと低い。また2列目シートの空間を大きくとっているのも特徴だ。

昨今、社用車のショーファードリブン(運転手付き高級車)としての人気は、クラウンからアルファードなどのミニバンに移りつつあるという流れもある。

そうした意味でも、クラウンのミニバン化の可能性はあるのではないだろうか。

ただし、「Fine-Comfort Ride(ファイン・コンフォート・ライド)」はエンジンのない電動車。

しかもインホイールモーターでキャビンは後部にかけて絞り込むなど、斬新なボディ構造のため、そのまま量産車にするには難しい。

あくまでも、ミニバンをプレミアムに仕立てるというアイデアに注目したい。

次世代クラウンのミッションとは?

SUVになろうともミニバンになろうとも、セダンという車形を捨ててまで存続を図る次のクラウンに求められるのは確実なヒットだ。

もしも、ここで失敗してしまうと、クラウンの名前を残すことさえできなくなる。まさに背水の陣である。

SUVになろうともミニバンになろうとも、セダンという車形を捨ててまで存続を図る次のクラウンに求められるのは確実なヒットだ。
SUVになろうともミニバンになろうとも、セダンという車形を捨ててまで存続を図る次のクラウンに求められるのは確実なヒットだ。    トヨタ

ただし、報道によれば、新しいモデルは国内だけでなく世界市場での販売もあるとか。

そうとなればチャンスは広がる。日本でダメでも、他の国でヒットすれば存続も可能だろう。

また、「セダン生産終了」という報道が間違っていたとしても、やはり次世代モデルのヒットは欲しい。

国内専用モデルで年間販売台数が3万台を切るようになれば、さすがに何かテコ入れが欲しくなるもの。

次世代モデルは、セダンが存続したとしても相当に思い切ったことをしなければ厳しいのは変わらないはず。

例えば国内専用モデルをやめて、海外でも販売すれば、当然、販売エリアが広がった分、販売台数は伸びるだろう。

何もしないということはないはず。

クラウンを元気にするために、トヨタがどんな方策をとるのかに注目したい。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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