【じつは最初からアウト!】「わ」ナンバーにならぬ高級車カーシェア投資 国交省に聞くと…「共同使用」の定義から大きく外れていた
公開 : 2020.11.30 05:45 更新 : 2022.03.25 18:51
「共同使用」の料金に関してもう少し
ちなみに、国交省は、
「『自動車を使用する』とは、自動車の管理も合せて行うことを常態とするものであり、日常点検整備だけでなく、定期点検整備等も行うものである」
としている。
スカイカーシェアは「共同使用」を大前提とする個人間カーシェアの定義からも大きく外れているようだ。
国土交通省に別のカーシェア業者が照会した法令適用事前確認手続の文書に対する、国土交通省自動車局旅客課長の回答(令和2年7月31日)をもとに、道路運送法第80条の適用外となる「共同使用」とは何なのか。改めて確認してみよう。
共同使用料(=カーシェア料金)とは?
車両の維持管理コストとして、ガソリン代、その他車両の維持に必要とされる実費を基礎に按分された額を言う。
その額については車両の所有者と共同使用者の合意に基づき共同使用契約により定めるものとしている。
当該共同使用料の額は、どの時点を基準として算出するのか、また、共同使用者の数は固定されるのか、増減するのかによって変動するものと考えられる。
共同使用の考え方の具体例
・同一の自動車を2以上の者それぞれが、自己の欲求充足のために主体的な立場において使用
・使用者が具体的に特定され、自動車の使用及び管理に関して予めの合意が存在している
・使用者それぞれが自動車の使用及び管理に関する権限と責任を有する
・共同使用料は営利を目的とせず、自動車の維持費の範囲内である
投資者、クルマの情報どこまで持っていた?
「クルマをローンで購入する形をとって(実際はスカイ側がローン代金+自動車保険料などを投資者の口座に入金)、そのクルマをスカイカーシェアが預かって、カーシェア車両として運用すると言われた」(大阪府20代女性)
「クルマは見てない。車検証のコピーももらっていない。車名も『メルセデス・ベンツ』ということしかわからない。手元にあるのは、自動車保険証書(原本)とローンの契約書だけ」(埼玉県40代男性)
※その後、自動車保険証券に記載されている車台番号と車両ナンバーで、運輸支局で車検証を再発行し、同時に登録事項等証明書(現在・保存記録)を取得し、車台番号からそのクルマがメルセデス・ベンツCLS AMGであることが判明。
「投資者はスカイカーシェアの車両を全車半額でシェアすることができた。自分の契約車両を借りたいと言ったが、届いたクルマは自分の車ではなかった。何度か借りたが結局自分のクルマには乗れなかった」(東京都30代男性)
このような状況では、到底、「共同使用」とは言えないだろう。
そもそも、ローン契約を完了し口座引き落としが行われているのに、納車されていない「未納車」も90台あるという……。
スカイカーシェアのシェア事業は、最初から違法な状態で運用されていたというわけだ。