【プレミアム感をプラス】フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5eTSI 150 Rラインへ試乗
公開 : 2020.12.11 10:25
アダプティブ・ダンパーで乗り心地は改善
Rラインの走りで感じられる一番大きな違いは、乗り心地。扁平タイヤとスポーツ・サスペンションがクルマを支えることによる。
この試乗車には、ダイナミック・シャシー・コントロール(DCC)と呼ばれる785ポンド(10万円)のオプションが付いていた。人気の1つで、アダプティブ・ダンパーが装備される。
英国編集部では、以前にゴルフ1.5 TSIのライフ・グレードに試乗している。「ライバルと比べて、ベースのゴルフが乗り心地の良い、一番快適なハッチバックとはいえなくなった」とまとめていた。特にリアシートの印象で。
Rラインは、基本的にその意見を変えない。150ps以下のゴルフには、マルチリンク式ではなく、トーションビーム式のリア・サスペンションが採用されるためだろう。
しかし、アダプティブ・ダンパーが装備されていれば、コンフォート・モードなら市街地でも乗り心地は改善される。高速道路に入れば、質感はさらに良くなる。
スポーツ・モードを選択すると、路面からの入力による振動は明確に大きくなる。クルマの姿勢制御は引き締まり、スポーティなハッチバックらしく硬い印象になる。
ゴルフには、インディビジュアル・モードが付いている。ダンパーとパワートレインはコンフォート・モードにし、ステアリングはスポーツ・モードにするのが、筆者は良いと感じた。
ステアリングの操舵感は満足感ある重みがあり、シャシーの精度の高さを引き立てている。反応は正確で、フロントタイヤのグリップ力は高く、自信を持って8代目ゴルフを導いていける。
プレミアムなRラインにはDSGが合う
7速DSGは変速が滑らかで、マニュアルでの操作にもピタリと反応。ステアリングホイールのパドルを弾けば、AT任せで稀に感じるもどかしさも解消できる。
マイルド・ハイブリッドの1.5Lエンジンは、力強くレスポンスも良い。ただし減速時に、回生ブレーキの動作に伴う違和感が少しあるようだ。
今回の試乗は市街地からスタートし、郊外の道を積極的に飛ばした。結果得られた燃費は10.6km/Lに留まってしまった。少なくともカタログ値では、マイルド・ハイブリッドではない1.5LにMTの組み合わせより、燃費は向上している。
際立った動的性能を必要としないなら、今回のゴルフ1.5eTSI 150 Rラインは、上質なファミリー・ハッチバックとして有力な選択肢になる。7速DSGも、プレミアム感の漂うRラインの雰囲気に、良く合っていると感じた。
アダプティブ・ダンパーを装備すれば、タッチモニターに振れるだけで、Rラインのゴルフを少しホットなハッチバックにもしてくれる。コンフォート・モードなら、経済的で実用的な、洗練された快適なゴルフとして乗れる。
できれば、リアがマルチリンク式のゴルフTSIも試したいところ。スポーツ・サスペンションなしで。Rラインでなければ、衝撃吸収性はさらに良くなるはず。ゴルフとして、スイートスポットの仕様になるのではないだろうか。
フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5eTSI 150 Rライン(英国仕様)のスペック
価格:3万4165ポンド(461万円)
全長:4284mm
全幅:1789mm
全高:1456mm
最高速度:223km/h
0-100km/h加速:8.5秒
燃費:17.1km/L
CO2排出量:133g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1498ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:150ps/5000-6000rpm
最大トルク:25.3kg-m/1500-3500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック