【マツダCX-5とCX-8のゆくえ】次期マツダ6登場後、マツダCX-50が加わり併存? モデル刷新するか

公開 : 2020.12.04 05:45  更新 : 2021.10.11 09:38

マツダはCX-5とCX-8を年次改良。コネクティビティ技術の大幅改良や、ディーゼル「スカイアクティブD」を強化。気になるのは、両モデルのこれからです。

CX-5/CX-8 年次改良でさらに進化

text:Kenji Momota(桃田健史)

またしても、マツダ「CX-5」と「CX-8」が質感を上げた。

マツダがいう、年次改良によって、マツダ各モデルは時代の流れに沿って改良が進む。

2020年のCX-5/CX-8年次改良と同時に発表された特別仕様シリーズ「ブラックトーン・エディション」。写真はマツダ6。
2020年のCX-5/CX-8年次改良と同時に発表された特別仕様シリーズ「ブラックトーン・エディション」。写真はマツダ6。    マツダ

一方で、近年中に登場する次世代「マツダ6」は縦置き直列6気筒搭載のFR(フロントエンジン・リアドライブ)となることが確実であり、マツダ幹部はこのプラットフォームを使ったSUVの存在も明らかにしている。

果たして、「CX-5」と「CX-8」という、マツダのミドルサイズ商品群SUVはこれから、どこを目指して、どのように進化するのだろうか?

未来を予測する上で、まずは今回の商品改良ポイントを深堀りしてみたい。

まずは、コネクティビティ技術だ。

マツダが独自に開発してきたマツダコネクトとして、10.25インチに拡大されたセンターディスプレイを採用した。

マツダコネクト導入時、筆者が担当エンジニアから受けた説明では、ドライバーの目の位置と、手元のコントローラーとの位置関係など、人間工学に基づいてディスプレイのサイズを決めたということだった。

その後、各モデルが量産される中で、ユーザーからのフィードバックを受けて、マツダコネクトの改良が進む中、ディスプレイの位置と大きさも変化し、今回の10.25インチに辿り着いた。

さらに、ユーザーにとって直接は感じにくいが、マツダコネクトにとって重要な改良点もある。

マツダコネクト2.5? 全機種に通信機

それは、すべての機種に車載通信機を標準装備したことだ。

トヨタ車の場合、DCM(データ・コミュニケーション・モジュール)と呼ぶ技術だ。

今回の商品改良で、マツダが独自に開発してきたマツダコネクトとして、10.25インチに拡大されたセンターディスプレイを採用した。
今回の商品改良で、マツダが独自に開発してきたマツダコネクトとして、10.25インチに拡大されたセンターディスプレイを採用した。

2018年6月発表の「カローラ・スポーツ」と15代目「クラウン」を皮切りに、世界市場で発売するほぼ全ての機種で展開することを明らかにしている。

DCMでは、クルマに搭載されている制御系機器を相互管理する車内通信網であるCAN(コントローラー・エリア・ネットワーク)から得た情報を収集し、総合的な車両データとして1分間に1回の割合でクラウドへデータ転送する。

トヨタと、電動化技術やコネクティビティ技術で協業するマツダとしても、DCMに近いような考え方で車両データ制御を本格的におこなう体制を敷く準備が整っていく可能性がある。

その上で、メーカーとディーラー、ディーラーとユーザー、さらにメーカーとユーザーが情報共有することで、購入後の車両サービスや、今後の車両開発に役立てることになる。

ディスプレイの10.25インチ化を含めて、今回の年次改良によって、マツダコネクト2.5と呼べるような着実な進化を遂げたといえる。

また、マツダが進める「人中心の運転支援システム」である「コ・パイロット」についても、コネクティビティ技術による車両管理システムは極めて重要だ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事