【ブランド末期の隠れた名車】 ローバー75とMG ZT 英国版クラシック・ガイド 前編
公開 : 2020.12.20 07:25
MG ZT オーナーの意見を聞いてみる
「過去20年ほどは、古いアメ車ばかり買っていましたが、最近はMG 1本に絞っています」。と話すのはMG ZTのオーナー、ニール・ランサム。
「20年ほど前にMG ZTを目にして以来、ずっと興味を持っていました。このZT 190が販売に出ているのを見つけたのは2018年。アメリカにありましたが、オリジナルの広報用車両だとわかっていたので、ぜひとも欲しいと思いました」
「父にZTを見せに行き、中年になって悩みが増えてしまった、と笑いながら報告しました。MGのTV CMに登場していたクルマで、ボディカラーはお気に入りのソーラー・レッド。同じ色調のハッチバック、MG ZRも所有しています」
「塗装は退色が進んでいましたが、英国の専門ショップで塗り直してあります。今の状態には満足です。タイムレスなクラシック・デザインで、古びることはありません」
「一般道で走らせることが、状態維持では重要。多くのZTがないがしろにされ、残念ですよ」
英国で掘り出し物を発見
MG ZT 400 SE ラウシュV8
登録:2005年 走行:12万700km 価格:1万4000ポンド(189万円)
珍しいラウシュ製スーパーチャージャーが組まれた、V8エンジンを搭載するZT V8。ショットシルク・モノグラムペイントという玉虫色のボディは、おそらくZT V8では1台限り。
フェイスリフト後のMk2で、フルブラックのレザー内装と、ラウシュ社のステージ3エンジンアップグレード、高性能なトランスミッションを備えている。最高出力は405psで、かなりやんちゃな排気音を響かせる。
電動シートにリアのパワーブラインド、ハーマン・カードン製サウンドシステムなど、オプションも満載だ。
ローバー75 コニサーSE
登録:1999年 走行:9万6500km 価格:4995ポンド(67万円)
初期の、カウリー工場製の75。本木目のダッシュボードに、クリーム色のパイピングが入るネプチューン・ブルーのレザーシートが、気品高い英国感を演出する。リアのパワーブラインドも付いている。
整備記録を見ると、最近エアコンのガス補充が行われ、タイミングベルトの交換も済んでいる。2018年にファンクラブ・ミーティングでクラス優勝を掴んだほど、状態が良い。
中古車購入時の注意点などは後編にて。