【ランエボ譲りの走り】三菱エクリプス・クロスPHEV 2020年型 アウトランダー譲りの安心感 既に気になる次期型
公開 : 2020.12.05 05:45 更新 : 2021.10.11 13:49
アウトランダー/ランエボいいとこ取り
そうした、現実社会における理想的な電動車であるプラグインハイブリッド車だが、課題はコストだ。
モーター/インバーター/リチウムイオン電池など、電動パワートレインの主力部品がEVとの共有性が高いが、EV自体の普及台数が少ないため、コスト高になることが多い。
三菱の場合、アウトランダーPHEVをこれまで、世界各国で販売しており、PHEVの累計販売台数としてはトップモデル。
そうした量産効果によるコストダウンを、エクリプス・クロスPHEVが享受できる。
今回のオンライン発表の中で、製品開発本部セグメントチーフビークルエンジニアの粟野正弘は、エクリプス・クロスPHEV搭載の電動パワーユニットは、基本的にアウトランダーPHEVからの移植であると説明している。
その上で、「ゆったり優雅」な走り味のアウトランダーPHEVに比べて、「より楽しく走るチューニング」を施したという。
ランサー・エボリューションで基礎技術を磨いた、ツインモーターを活用した四輪制御システムS-AWCを熟成させた。
ターマック(舗装路)モードでは、競技車で培った制御ロジックを用いて、ハンドル切り込んでコーナー入る時、またコーナー出口でアクセル操作にリニア感があるライントレースを目指した開発を進めたともいう。
どうなるアウトランダーPHEV次期型
オンライン発表の後半、加藤CEOは「アウトランダーPHEVの後継モデル投入」についても触れた。
これは、2020年7月に公表した、2020〜2022年度中期経営計画「スモール・バット・ビューティフル」の中で明らかにした、環境対応車の商品戦略フェイズ1を踏まえての発言だ。
2020年度内にエクリプス・クロスPHEV、また2021年度内には次期アウトランダーと中国市場向け新型EV、続く2022年度内に次期アウトランダーPHEVを市場導入する計画だ。
次期アウトランダーについては、日産の北米「ローグ」と日本での次期「エクストレイル」との兄弟車になるとの見方がメディアの中で主流だ。
そうなると、PHEVについて、日産の電動化技術と電動部品との共通性が気になるところだ。
さらに、そうした三菱/日産の技術が融合したPHEVパッケージが、2023年度以降の登場が予想される次期エクリプス・クロスに採用されることになるだろう。
今回のエクリプス・クロスPHEVで三菱は、コロナ禍での「ニューノーマル(新しい生活様式)」の中で外部給電を活用したリモートワーク、また停電時などで住宅への給電(V2H)など、「止まっている時の利便性」についても強調している。
日本全体でこれから、電動化シフトへと大きな舵が切られそうないま、エクリプス・クロスPHEVは「次の時代の三菱」を支える重要モデルになりそうだ。