【マツダRX-9消滅!?】「スカイアクティブR」に対するマツダの思いは ハイパフォーマンス系REどうなる
公開 : 2020.12.27 11:05
まずはレンジエクステンダーと絡める
そもそも、RXビジョン登場の数年前の2010年代前半、ガソリンエンジンのスカイアクティブGと、ディーゼルエンジンのスカイアクティブDの初期テストモデルを試乗し始めた頃から、筆者はスカイアクティブRの動向に注目してきた。
スカイアクティブ理論を提唱し量産化に結び付けた「ミスター・スカイアクティブ」こと、現在はシニアイノベーションフェローの人見光夫氏に対して、スカイアクティブR量産に関する課題などを聞いてきた。
何事も真正面から挑む姿勢の人見氏は、スカイアクティブRについて、先の広報資料にもあるように研究開発は続けていたことを認めてきた。
その上で、量産については全体の事業戦略を鑑み、可能性を含めて明言を避けてきた。
一方で、ロータリーエンジンを発電機として使う、レンジエクステンダー形式のEVについては、人見氏は量産の可能性を示唆してきた。
その出発点は、筆者も参加した、2014年にマツダR&Dセンター横浜(神奈川県神奈川区)でおこなわれた「デミオEV」搭載テスト車両の試乗および技術説明会だった。
あれからすでに6年以上が経過したが、2021年初頭に日本でも導入される「MX-30 EVバージョン」で、追ってロータリーエンジン搭載のレンジエクステンダーが登場することが明らかになっている。
レンジエクステンダーEV向けのみ?
結局、ロータリーエンジンはレンジエクステンダーEV向けのみなのか?
それを、スカイアクティブRと呼ぶことになるのだろうか?
スポーティモデル、例えば「RX-9」といったイメージのクルマとの融合はあるのかないのか?
直近のマツダ技術開発長期ビジョン(2017年8月発表)で公開された、次世代技術ロードマップでは、2019年からスカイアクティブX、マイルドハイブリッド、EV、また2020年からスカイアクティブD第2世代、さらに2021年からプラグインハイブリッド車導入とあり、これらは着実に実行に移っている。
丸本明社長は2020年上期の決算説明で、技術ロードマップを近くアップデートすると発言しているが、その中にスカイアクティブRが組み込まれる可能性は低いと、筆者はみる。
その上で、2020年5月にグランツーリスモSPORT向けのバーチャルレースカーとして、「RXビジョンGT3コンセプト」を登場させたこと。
また、スポーティなイメージを持つ、各モデルの「ブラックトーンエディション」のセールスプロモーションとして、RXビジョンGT-3コンセプトが持つ、「美しく、速く」という商品イメージを活用したこと。
これらは、ハイパフォーマンス系スカイアクティブR搭載車の量産を待ち続けているマツダファンに対する「マツダの礼儀」なのだと思う。