【ハイエースは新型近い!?】300系の日本導入はある? 日本で独自進化 これから先6代目はどうなるのか

公開 : 2020.12.26 11:07  更新 : 2021.10.11 11:30

先祖返り? 楽しむハイエース、復活

最近の「楽しむハイエース」の動向を見ていると、筆者としては80年代を思い出す。

当時、すでに商用車であるハイエースを「レジャーで使おう」というトレンドがあった。

レジャーでの使用増はハイエースだけではない。日産NV350キャラバンの荷室長を活かした車内泊スペースが誕生。
レジャーでの使用増はハイエースだけではない。日産NV350キャラバンの荷室長を活かした車内泊スペースが誕生。    高桑秀典

対面式のスイングウエイシートや、大型の電動サンルーフや、当時としてはまだ珍しかったムーンルーフなど、生活をより楽しむためのアイテムを満載。

足元にはファッショナブルなアルミホイールを履くケースも増えた。

ハイエースまでのボディサイズだと、車庫の広さや日常使いでの取り回しでは「大き過ぎる」と思う向きには、「タウンエース」が選ばれた。

この頃はまだ、ミニバン文化は芽生えていない。

それが90年代に入り、状況は一変する。

まず、米キャルティデザインスタジオがスケッチを描いた「エスティマ」が日本で大ブレイクする。さらに、96年には「ノア」の前身である、「タウンエースノア」が登場。

こうした流れが2000年代の「アルファード」へとつながり、各メーカーがごぞって各種ミニバンを企画するようになった。

そして2010年代中頃から後半になり、ミニバン文化からの、まるで「先祖返り」のように「楽しむハイエース」が復活したといえる。

では、今後のハイエースはどのように進化しているのだろうか?

6世代(300系)が登場するも日本は?

現在(2020年末)、ハイエースは5代目(200系)モデルであり、2004年デビューから16年目にある。

ハイエースの歴史をみると、初代が10年間、2代目が8年間、3代目が10年間、4代目が9年間でフルモデルチェンジを受けており、5代目の車齢の長さが目立つ。

2019年に新興国向けとして、300系が登場。それをベースに日本では、高級ミニバン「グランエース」となった。
2019年に新興国向けとして、300系が登場。それをベースに日本では、高級ミニバン「グランエース」となった。    神村 聖

ただし、5代目のなかでマイナーチェンジされ、現行車は2020年5月改良の6型である。

メガウェブ(東京都江東区)におこなわれた5型の記者発表会を取材したが、この日は「ハイエース誕生50周年」イベントも兼ねており、開発担当の主査に対して「これまでのハイエースとこれからのハイエース」について直接、話を聞いた。

その際、「働くハイエース」としての性能向上はもちろん、「楽しむハイエース」の分野を販売店を交えて深堀りしていきたい、と将来への意欲を見せた。

さらに、6代目「ハイエース」について言及は避けたが「適材適所」への考慮をにじませていた。

結果的には、2019年に新興国向けとして、300系が登場。それをベースに日本では、高級ミニバン「グランエース」となった。

トヨタの各方面からの声を総合すると、200系は日本市場での「働くハイエース」と「楽しむハイエース」の両面を考慮し、300系とは完全に棲み分けて、当面は生産継続の可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」

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