【三菱デリカのゆくえ】ディーゼル後、プラグインハイブリッドの可能性は トヨタRAV4と関連あるか
公開 : 2020.12.29 11:05
最も早くても2023年度以降
三菱が示している商品戦略ロードマップでは、フェイズ1(2020年度~2022年度)と、フェイズ2(2020年度~2023年度)と、大きく2つに分かれている。
前者を「環境対応」とし、後者を「アセアンフォーカス(東南アジア重視)の鮮明化」としている。
このどちらにも、次期デリカD:5の青写真は含まれていない。
また、「環境対応」ではPHEV/EVモデルのラインアップ強化を明文化している。
その中身を細かく見ると、海外向けEVでは新エネルギー車(NEV)政策対応として広州汽車とのEV共同開発を進める。
軽自動車EVについては日産自動車との「共同検討」としている。
これは日産が第46回東京モーターショー(2019年10月24日~11月4日)に出展したコンセプトモデル「IMk」のことだが、2022年度との明記ではなく、さらにそれ先に向けて「共同検討」というオブラートに包んだような記載にとどめている。
一方、PHEVについては「自社PHEVの技術に更に磨きをかけた新型アウトランダーPHEVを市場投入する」としている。
現行のデリカD:5がアウトランダーとの部品共有性が高いモデルであることから、次期デリカD:5も、次期アウトランダー、次期アウトランダーPHEV、さらにその次の順番で市場導入される可能性が高い。
そうなれば当然、デリカD:5はディーゼル専用からPHEV専用となるのが「筋」だと思う。
トヨタも虎視眈々と……
オフローダーの電動化について、数年前までなら量産化に疑問を持つユーザーが多かったはずだが、世界の潮流は大きく電動化シフトし、オフローダー業界の景色も一変した。
代表格は、ジープだ。
先日もジープブランドのトップとのオンライン意見交換会に参加したが、「レネゲート4xe」を筆頭にPHEV化を加速させることを改めて明らかにした。
さらに、フルEVのオフローダー量産も視野にあるという。GMC「ハマー」対抗策を打つのは当然だ。
さらに気になるのがトヨタの動きだ。
「次期クラウンのSUV化」の噂が絶えない中、デリカD:5を狙い打ちする「SUVのミニバン化」が計画されていても不思議ではない……。
その際のベース車は当然「RAV4」であり、電動化シフトの波を受けて、RAV4ミニバンはハイブリッドとプラグインハイブリッド(トヨタでのPHV)になる可能性がある。
そうした競合図式の中で、次期デリカD:5のPHEV化は必然だと思う。
今回、エクリプス・クロスPHEVの発表プレゼンでは、エクリプス・クロスが持つ潜在的な走りの良さをツインモーターの制御によって引き出すこと。
また、搭載バッテリーからの外部給電によるアウトドアの楽しみ方を強調していたが、これらをデリカD:5 PHEVではさらにブラッシュアップされることを期待したい。
以上、あくまでも筆者の取材に基づく私見である。