メルセデス・ベンツA250 エンジニアードバイAMG
公開 : 2013.12.13 21:45 更新 : 2017.05.13 12:51
■どんなクルマ?
少なくともカタログ上ではメルセデス・ベンツAクラスの中のベスト・チョイスとも言えるモデルだ。メルセデスのインハウス・チューナーであるAMGの手によるサスペンション・チューニングが施されたモデルであるにもかかわらず、トップ・レンジのA45 AMGの£40,000(678万円)に対して£10,000(169万円)程度安い£30,905(524万円)という価格がつけられたモデルである。
ベースとなるのはA250 AMGスポーツだが、A250エンジニアードバイAMGは、専用デザインの18インチ・ホイールと、235/40タイヤ、そして専用のサスペンション・チューニングが施されている。
エンジンは208bhpを発揮する2.0ℓ4気筒ターボで、4Maticが組み合わせられる。A250 AMGスポーツ同様FWDモデルも選ぶことも可能だ。
装備としては標準的なA250 AMGスポーツのものに加えて、専用のフロント・グリル、バイキセノン・ヘッドランプ、幾つかの専用トリムなどだ。
■どんな感じ?
視覚的にはエクステリアもインテリアもシャープにカッコ良いアレンジが加えられている。見た目はA45 AMGのようなルックスを持つ。しかし、残念ながらルックスほどA45 AMGのような走りは見せてくれない。
Aクラスはときおり不快に感じるほど固い足まわりを持っている。ただ、A45 AMGは固い乗り心地ではあるが、ダンピング、グリップのコンビネーションが素晴らしく、機敏なレスポンスを持っていた。しかし、A250エンジニアードバイAMGは、AMGによるチューニングが施されたとはいうものの、通常のAクラスのもろさをそのまま受け継いでいるようなセッティングなのだ。しかも、キャビン内部はこのクラスとしては静かでも優雅でもない。
ステリングのターンインもシャープで機敏なのだが、もう少しフィードバックが欲しい。
また、エンジンは2000rpm以上で活発になるが、7速デュアル・クラッチのつなぎが悪く、そのエンジンのパフォーマンスを活かしきれていないようだった。
■「買い」か?
残念ながらA250 エンジニアードバイAMGは、いい加減なクルマだった。柔軟なエンジンは良いのだが、ひどい乗り心地とエンゲージの遅いギアボックスのためにそのドライブトレインには魅力が感じられない。
208bhpのパワーは、217bhpのフォルクスワーゲン・ゴルフなどのライバルだが、5ドア・モデルであってもA250 エンジニアードバイAMGよりも£3,000(50万円)も安い。ゴルフGTIを選択するのがおすすめだ。あるいは、A45 AMGを買うために貯蓄をはじめのも良いかもしれない。
(マーク・ティショー)
メルセデス・ベンツA250 エンジニアードバイAMG
価格 | £30,905(524万円) |
最高速度 | 240km/h |
0-100km/h加速 | 6.5秒 |
燃費 | 14.9km/ℓ |
CO2排出量 | 154g/km |
乾燥重量 | 1505kg |
エンジン | 直列4気筒1991ccターボ |
最高出力 | 208bhp/5500rpm |
最大トルク | 35.7kg-m/1200-4000rpm |
ギアボックス | 7速デュアル・クラッチ |