上質感を高めたデザインと充実の装備

フィアット500エレクトリックをひと目見れば、可能な限り質感を高めるため、フィアットが努力したことが伝わってくるはず。一般的に利益率の小さいコンパクトカーだが、高めに価格設定されるミニと同じ戦略を取ろうとしているのだろう。

ボディの塗装には深い光沢があり、ドアパネルなどのフィッティングも高い。ドアハンドルやホイール、ボディ細部など、あちこちにデザインのこだわりが見て取れる。デイライトの造形も今どきで、印象的だ。

標準装備は、アクションでも充実している。パーキングセンサーにキーレス・スタート、7.0インチのインフォテインメント用タッチモニター、衝突被害軽減ブレーキや交通標識認識機能などが付く。充電は、最大50kWの容量まで対応する。

今回試乗したラ・プリマになると、さらにLEDヘッドライトにオートワイパー、17インチのアルミホイールを装備。タッチモニターは10.25インチへ大きくなり、リアカメラなどが追加される。充電器は、85kWの容量まで許容するようになる。

これらの装備の中で、フィアットが強くアピールするのが、レベル2に対応した運転支援システム。「新しい500は、加速や減速だけでなく、車線内を自動的に保ってくれる」とフィアットが主張する、シティカーとなった。

クルマのバッテリー状態を判断し、充電器の設置場所を案内してくれるスマートフォン用アプリも用意されている。今はまだ、純EVには欠かせない機能だろう。

この続きは後編にて。

画像　新フィアット500　デザイン派EVのホンダeと208、ミニを比較　全143枚