【カローラや3のライバル】ヒュンダイi30 48Vハイブリッドへ試乗 実用的でストレスフリー
公開 : 2020.12.17 10:25 更新 : 2021.03.05 21:37
もの足りないハンドリングの感覚的な充足感
バイワイヤで作動するMTも良く機能し、とてもスムーズに変速を完了する。惰性走行に入ると、クラッチを切り離し、エンジンを自動的に停止。燃料の消費を抑える。アクセルペダルを踏み込めば、すぐにエンジンは息を吹き返してくれる。
ヒュンダイによれば、マイルド・ハイブリッドと電子制御クラッチの採用で、燃費は4%程度改善するとしている。数字としては小さいが、効果的だし、良く制御されているシステムだ。
それ以外の部分は、フェイスリフト前のi30と同じ。160ps版のマルチリンク式とは異なり、119ps版のリア・サスペンションはトーションビーム式。フロントは共通でマクファーソンストラット式となる。
ハンドリングは、特に機敏ということもなく、ドライバーとの一体感も薄い。ステアリングホイールの操舵感は想像以上に重く、ダイレクト感は強い。操舵に対しテンポ良く反応し、滑らかに連続するコーナーを抜けていける。
一方で、フォルクスワーゲン・ゴルフを際立たせているような、落ち着きや洗練度は欠いている。かなり速いコーナリングも受け付けてくれるが、そこで得られる感覚的な充足感は高くはない。
乗り心地は硬めで、低速域では突っ張るように揺れる傾向がある。速度域が上がり、負荷が高まるとしなやかさも増していく。
高速域でも風切り音は小さく、車内は充分に静か。控えめなエンジンノイズも相まって、リラックスしたまま高速道路を長時間運転できるだろう。
プラスαならVWゴルフやマツダ3
運転支援システムのアップデートは歓迎できるが、車線維持支援システムの動作はまだ不安定な様子。白線を越えそうになると、ステアリングに介入することもあれば、完全に反応しない時もあった。
ステアリングホイールのボタンを押せば、機能をオフにできる。フォルクスワーゲンのように、モニターでサブメニューを掘り下げる必要はない。インフォテインメント・システムはグラフィックが美しく、シンプルな操作で使いやすい。
広々としたインテリアで快適な、まとまりの良いファミリー・ハッチバックだ。日常生活に溶け込み、良く走り、価格も魅力的。標準装備は充実しており、保証期間も長い。
i30の強みは変わらない。同時に、i30で興奮するということもない。
ヒュンダイi30には、従来通り好感が持てる。しかし実務だけでなく、プラスの楽しさや充足感がほしいなら、フォルクスワーゲン・ゴルフやマツダ3が選択候補の上に来るだろう。
ヒュンダイi30 1.0T-GDi 120 プレミアム 48Vハイブリッド(英国仕様)のスペック
価格:2万3695ポンド(319万円)
全長:4340mm
全幅:1795mm
全高:1455mm
最高速度:196km/h
0-100km/h加速:11.2秒
燃費:18.9km/L
CO2排出量:121g/km
車両重量:1365kg
パワートレイン:直列3気筒998ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:119ps/6000rpm
最大トルク:17.5kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス:6速マニュアル