【プジョー躍進に、陰の立役者?】11月のインポートカー登録台数 全体では足踏み状態も、英・仏・伊ブランドが上向き
公開 : 2020.12.10 05:45 更新 : 2021.10.11 09:38
輸入車メーカーの販売ですが、11月は足踏み状態で前年割れに。そんな中、プジョーが躍進。好調を支えたのはインポートカー・オブ・ザ・イヤー受賞の新型208。ただ、販売現場からは、もう1台の名前も。
11月 前年同月比マイナスに
10月は大幅回復を遂げた輸入車ブランド車の新規登録台数だが、11月は2万2798台を記録し、前年同月比で96.3%となった(JAIA調べ、速報値)。
プラスに転じることはできなかったのである。
一方で、日本車のマーケットでは、登録車が11月に前年同月比で106.0%を記録。軽自動車も同107.8%に。2か月連続でプラスを記録しているのとは対照的に、インポートカーの市場はマイナスとなった。
昨年11月の輸入車の登録台数を振り返ってみよう。消費税の引上げによる影響から2018年同月比でマイナスだった。つまり今年はさらに低迷したことになる。
また、この11月は新型コロナウイルス感染症の第三波が始まり、ひと月の内に感染者が4倍になった負の影響も考えられる。
しかし、今年1月からの累計登録台数を2019年と比べると、10月の83.0%から11月は84.2%へと向上しており、インポートカーの復調傾向は続いている。
11月の速報値を見てゆくと、上位のメジャーメーカーが前年割れを記録するなか、BMWミニ、ジ-プ、プジョー、フィアット、シトロエン、ランドローバー、アバルト、アルファ・ロメオといった趣味性の高いセカンドグループが大きく台数を伸ばした。
この中で注目したいのが、前年同月比で147.5%をマークしたプジョーの存在だ。
迷う顧客 派生SUVモデルがカバー
2020年は、プジョー日本法人にとって新たな世界を切り開いた年といえる。
なかでもコンパクト・ハッチバックの新しいスタンダードを創り上げた新型208は、EV版も同時に用意されるなどプジョーの先進性と意気込みが分かる意欲作。
208は、欧州カー・オブ・ザ・イヤーに続き、2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤーで「10ベストカー」に選出され、最終的に日本車に伍して輸入車の最上位となる4位を獲得。インポート・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたことからも、実力の高さがわかる。
日本国内では7月のデビュー以来、幅広い層から支持を得た。
受注実績は、208が1818台、e208が105台。合計1923台(12月6日現在)と好調なセールスで、これがプジョー躍進の第1の理由といえる。
このほかにも、ミニバンのリフター、508、308 SW、SUV 2008と商品力の高い魅力的なモデルを追加したことで登録台数を伸ばした。
躍進の要因を日本法人は、「7月に導入した208、9月に発売したSUV 2008が好調です。フランス車らしいデザインと完成度の高さが認められています」と分析する。
面白いのは、「ディーラーに208を買いに来られたお客様が、横に並んでいるSUV 2008の広い室内を見て変更する例がかなりあり、相乗効果で販売を牽引した」というラインナップの強みが活きたこと。これが、第2の勝因だろう。
続いて、登録台数のランキングを確認しておこう。