【やはりトヨタは強かった】2020年振り返り クロス化戦略第一段階の完了 電動化シフトへの地盤固め

公開 : 2020.12.31 11:05

ハリアーに沸いた前半 ヤリスに続いた

さらに、2019年後半の目玉は「ヤリス」だった。

これまでの日本市場では商品名「ヴィッツ」としてきたが、世界市場で共通名となる、まさに世界戦略車として生まれ変わった。

2019年後半の目玉は「ヤリス」だった。加えて、トヨタがユーザーから待望された「ハリアー」が登場
2019年後半の目玉は「ヤリス」だった。加えて、トヨタがユーザーから待望された「ハリアー」が登場

その象徴として、WRC(世界ラリー選手権)にトヨタワークスとして「ヤリス」を導入。

WRCでのノウハウを詰め込んだ、量産車「GRヤリス」が2020年1月の東京オートサロンで世界初公開され、予約販売が一気に盛り上がった。

「ヤリス」は、コンパクトカーとしてはかなり小ぶりに見えるデザインだが、GRヤリスを筆頭に、ハイブリッド車から商用車利用まで、幅広いユーザーに対して全国トヨタ販売店が積極的にセールスをかけた。

加えて、トヨタがユーザーから待望されたモデルが登場。「ハリアー」である。

今春過ぎから、自動車メディア各社は、ハリアー関連のスクープ記事を続々と掲載。ユーザーにとって最も大きな関心事は、ベースとなるRAV4から、どうやってハリアーという上級化イメージを実現するのか、そして販価はどうなるのか、という点であった。

ふたを開けてみると、先代モデルとの価格差が少なく、しかもRAV4との差別化がはっきりしていたことで、ハリアーの新車効果は極めて強くなった。

気になるトヨタ車電動化のゆくえ

今秋の「ヤリス・クロス」登場によって、「ライズ」「ヤリス・クロス」「C-HR」「RAV4」「ハリアー」という、トヨタの「クロス化」戦略第一弾が完成した。

そして2021年には、クロス化の「本命」登場への期待が高まる……。

量産型ハイブリッド車の生みの親であるトヨタが12月、2代目「ミライ」を発表。
量産型ハイブリッド車の生みの親であるトヨタが12月、2代目「ミライ」を発表。

一方で、2020年12月に世の中で大きな話題となったのが、政府によるクルマの電動化シフトだ。

欧州、アメリカの一部州、また中国では国策として、クルマの電動化シフトを進めている。日本もこれまで、ハイブリッド車を中心とした電動化が市場で定着してきたが、プラグインハイブリッド車、EV、さらにFCV(燃料電池車)へと本格的電動車の普及を一気に進めようというのだ。

菅政権が掲げる「2050年カーボンニュートラル」に向けた、グリーン成長戦略。その柱に、クルマの電動化がある。

カーボンニュートラルとは、社会全体に排出されるCO2総量と吸収されるCO2総量が実質的に相殺されることを指す。

そうしたなか、量産型ハイブリッド車の生みの親であるトヨタが12月、2代目「ミライ」を発表した。

新型車という位置付けだけではなく、搭載する燃料電池ユニットを、大型トラック・バス、鉄道、施設インフラなどへと、トヨタでいう多様な需要を創出する「ヨコテン(横展開)」を実現する。

さまざまな出来事があったコロナ禍の2020年、こうした振り返るとトヨタの強さが目立つ。

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