【ジムニー対抗は本当に出る?】ホンダNボックス独走の軽自動車市場 2021年以降をを大予想 電動化は
公開 : 2021.01.06 11:05 更新 : 2021.10.11 13:37
スーパーハイト主流+クロスオーバー
2019年に、打倒Nボックスを掲げて登場した4代目タントだが、現状の販売ではNボックスに軍配が上がっている。
これについてダイハツ本社関係者は「弊社はモデルラインナップ(乗用8モデル)が、ホンダ(5モデル)と比べて多いため、モデル毎の販売台数が散らばる傾向がある」との認識を示している。
確かに、2010年代を謳歌したNボックス独り勝ちの状況から、昨今話題になることが多いクロスオーバーSUV軽など、軽市場の新たなる多モデル化の傾向がはっきりしてきた。
その上で、ダイハツの新戦略が「タフト」だ。
「ハスラー」が開拓したこの分野で、街乗りユースを強調してハスラーとの差別化を図った。結果的に、2020年10月期販売台数ではタフトが初めてハスラーを抜くなど、市場変化が生まれている。
タフトの成功を受けて、噂の「ジムニー」対抗イメージのオフローダーの量産化についても、現実味が増したと見るべきだろう。
ダイハツの過去の製品企画を考えると、市場動向に対して短期に軌道修正することが多く、噂にあるようにラダーフレームではなくても、オフローダー的発想でダイハツ新プラットフォームのDNGAを活用する可能性は高い。
そうなると、気になるのがNボックスベースのオフローダーだが……。
軽の電動化はあり得るのだろうか?
あくまでも私見だが、ホンダ本社と研究所による四輪量産新体制へ変革が進み、またF1撤退での電動化シフトへの対応に追われる中、Nボックスベース・オフローダーのような、日本市場特化型モデルの早期登場は難しいと思う。
その電動車シフト、軽市場に今後どう影響するのか?
具体的な事業戦略としては、日産と三菱の合弁企業NMKVによるコンセプトモデル「IMk」をベースとした軽EVがある。
ただし、三菱の中期経営計画での量産車ロードマップでは
「2023年度以降に向けた『検討』」というコンサバな表現にとどまっている。
製造コストと社会需要性を考えると、次世代軽をEV化するための「明確な根拠」が乏しいのが現状だ。
当面は、スズキのマイルドハイブリッドのような電動化を、他メーカーも導入を考える可能性が高い。
スズキの鈴木俊宏社長は新型「ソリオ」のオンライン発表会で「EVに向かっていくことは確かだが、マイルドハイブリッド、ストロングハイブリッド、プラグインハイブリッドと段階を踏む」と指摘しており、この考え方は軽にも一部適用されるだろう。
この他、2021年で「ムーブ」や「アルト」のフルモデルチェンジが期待される。
見かけ上、安定期に入ったように思える軽市場。次世代に向けて2021年、どのような変化が起こるのか、これからも市場動向を注視していきたい。