【6気筒ケイマン比較試乗】ポルシェ718ケイマンGTS 4.0x718ケイマンGT4 どちらが理想か 前編
公開 : 2020.12.26 07:05 更新 : 2021.05.18 16:16
雨でもGTSならもう一押しプッシュできる
しかし、ほかのケイマンとは違うGT4というイメージ通りの体感を強めるには、より一生懸命に運転する必要があるようだ。大幅に向上したGTSと比較してみると、特にそう感じられた。
GTSの4.0Lフラット6は、GT4のものと同様に、従来のフラット4が持っていた課題をすべて解決している。自然吸気版で感じられたトルク不足も、ターボ版で感じられたサウンドの物足りなさや、アクセルレスポンスの鋭さも。
ロング化されたギア比にも、意味を感じさせられる。もちろんGT4のサウンドは良い。でも、GTSに並ぶような音響ではもの足りないことも確か。もっと特別な、GT4らしさを得るべきだと思う。
GT4は、一般道では充分なロードホールディング性を発揮できていないようだった。試乗したルートは、AUTOCARではよく運転する区間。適度にチャレンジングで路面が荒れた部分も混ざり、不意なカントが付いていたり、途中で曲率が変化するカーブも多い。
この道で必要となるのが、しなやかな従順さ。GTSであっても、ダンパーのセッティングを最も柔らかい状態にする必要があったほど。
GT4が履くのは、幅の広いミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2タイヤで、グリップ力も高い。エアロキットの影響もあってか、ステアリングの操舵感も重いが、ドライ路面でも必要以上のグリップに思える。
そう感じながら、718ケイマンGTSへ乗り換える。ウェット・コンディションなら、GT4で控えめに走りたいと思う場面でも、GTSならもう一押しプッシュできるだろう。
この続きは後編にて。