【ジウジアーロでFFのロータリー】976台のマツダ・ルーチェ・ロータリークーペ R130 前編

公開 : 2021.01.02 15:05

イタリアンな雰囲気にあふれる佇まい

ごくわずかなR130が日本を離れ、オーストラリアや南アフリカなど、右ハンドル車市場へたどり着いた。欧州へ上陸することもなかったから、2020年にドイツ・バイエルン州で運転できていることの貴重さを実感する。

現存しているマツダ・ルーチェ・ロータリークーペは、およそ200台。シャシー番号M13P-10880が与えられたこのルーチェも、もとは日本で乗られていた。2008年に自動車コレクターによって購入され、英国へやって来たという。

マツダ・ルーチェ・ロータリークーペ R130(1969〜1972年)
マツダ・ルーチェ・ロータリークーペ R130(1969〜1972年)

その後、H&Hによるオークションで販売。2013年4月に、1万6875ポンドというお値打ち価格でマツダ・モーター・ネザーランド(オランダ)が落札し、丁寧なレストアが施された。現在は、マツダ・ヘリテージの所有となっている。

ボディデザインは、イタリアの息吹で溢れている。クリーンな面構成と、張りのある造形からは、ジウジアーロらしさがにじみ出ている。

特にエレガントなリアウインドウ周りのボディラインは、アルファ・ロメオジュリアGTに通じる美しさがある。ランチアフルビア・クーペとの血縁関係も感じられる。

フロントグリルには、ロータリーの形状を模した「m」のエンブレムがあしらわれているが、離れて見るとランチアに見間違えそうだ。それくらい雰囲気はイタリアン。

運転席に座ろう。心地良いラッチ音でドアが閉まる。腰を下ろすと、フロントアクスルより前方に搭載された、コンパクトなドライブトレインのメリットを実感する。

この続きは後編にて。

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