【ジウジアーロでFFのロータリー】976台のマツダ・ルーチェ・ロータリークーペ R130 前編
公開 : 2021.01.02 15:05
イタリアンな雰囲気にあふれる佇まい
ごくわずかなR130が日本を離れ、オーストラリアや南アフリカなど、右ハンドル車市場へたどり着いた。欧州へ上陸することもなかったから、2020年にドイツ・バイエルン州で運転できていることの貴重さを実感する。
現存しているマツダ・ルーチェ・ロータリークーペは、およそ200台。シャシー番号M13P-10880が与えられたこのルーチェも、もとは日本で乗られていた。2008年に自動車コレクターによって購入され、英国へやって来たという。
その後、H&Hによるオークションで販売。2013年4月に、1万6875ポンドというお値打ち価格でマツダ・モーター・ネザーランド(オランダ)が落札し、丁寧なレストアが施された。現在は、マツダ・ヘリテージの所有となっている。
ボディデザインは、イタリアの息吹で溢れている。クリーンな面構成と、張りのある造形からは、ジウジアーロらしさがにじみ出ている。
特にエレガントなリアウインドウ周りのボディラインは、アルファ・ロメオ・ジュリアGTに通じる美しさがある。ランチア・フルビア・クーペとの血縁関係も感じられる。
フロントグリルには、ロータリーの形状を模した「m」のエンブレムがあしらわれているが、離れて見るとランチアに見間違えそうだ。それくらい雰囲気はイタリアン。
運転席に座ろう。心地良いラッチ音でドアが閉まる。腰を下ろすと、フロントアクスルより前方に搭載された、コンパクトなドライブトレインのメリットを実感する。
この続きは後編にて。