【新型ノートが登場しても】マーチを販売し続ける日産の事情 現行モデルおさらい ノートとの違い解説

公開 : 2021.01.05 09:45  更新 : 2021.10.13 12:17

瞬く間に人気車種となった日産ノート。それまで代表するコンパクトカーといえば、言わずと知れたマーチ。そしてマーチは継続販売。理由をお伝えします。

いまはノート かつてはマーチ

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

先代のマイナーチェンジで追加された「eパワー」が受け、瞬く間に人気車種となった日産ノート

先日発表された3代目となる新型は、そのeパワー専用車という形になるようだ。

日産マーチ(2020年)。デビューは2010年、10年目という節目の年を迎えることになる。
日産マーチ(2020年)。デビューは2010年、10年目という節目の年を迎えることになる。    日産

もともと2005年に登場した初代ノートは、1.5Lエンジンを搭載していながら、他メーカーの同クラスの車種よりも抑えた価格帯となっており、非常にお買い得なモデルとして発売されていた。

しかしeパワーを搭載したことで、明確に他車のコンパクトカーとは異なるキャラクターを確立できたことで、新型はeパワー専用車としての道を歩むことになったと言えるだろう。

つまり日産のラインナップの中で、コンパクトカーの代表格というポジションを担ったといっても過言ではない。

それまでの日産を代表するコンパクトカーといえば、言わずと知れたマーチだった。

1982年に登場した初代から一貫してロングライフなモデルとなっており、5年前後でフルモデルチェンジをおこなう日本車の中にあって、10年近く継続販売される不変の価値を持ったモデルだ。

現在日本で販売されている4代目モデルも2010年デビューということで、10年目という節目の年を迎えることになる。

しかし、実のところ欧州市場では2017年から5代目マーチ(現地名:マイクラ)が販売されており、4代目が販売され続けているのは日本を含めわずかな国だけなのである。

5代目マーチ(マイクラ)どんなモデル

2017年に欧州で発売がスタートした5代目モデルは、ルノールーテシア(本国名:クリオ)の先代モデルとプラットフォームを共有しており、ボディサイズもルーテシアにほど近いサイズとなっている。

つまり、先代モデルに比べて全長と全幅は拡張され、逆に全高の抑えられたフォルムというワケだ。

日産マイクラ(2021年モデル)
日産マイクラ(2021年モデル)    日産

そして広げられた全幅によって3ナンバーサイズ(1743mm)となっているのが従来のマーチと最も異なる点だ。

搭載されるエンジンは過去には0.9Lターボや1.5Lディーゼルもラインナップされていたが、現在は1Lターボのみ。

ただし、グレードによって出力が異なっており、最もホットなモデルでは117HPのパワーを6速マニュアルで操ることができる。

販売地域が欧州ということで、もちろん右ハンドル圏となるイギリスも含まれているので、右ハンドル化への弊害は全くない。

それでも現在まで日本に新型が導入されていないのは、大型化されたボディも一因と言われている。

最もベーシックなモデルのハズのマーチが3ナンバー化となると、ノートや他の車種との整合性がとれなくなってしまう。

未だに日本人はボディサイズが大きい=格上という考えの人が多いこともあるだろう。

新型となったノートが3ナンバーボディとなっていれば、新型マーチが日本でも販売される可能性もあったかもしれないが、5ナンバーサイズをキープしてきたため、その可能性は潰えたと言えるかもしれない。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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