【新型ノートが登場しても】マーチを販売し続ける日産の事情 現行モデルおさらい ノートとの違い解説
公開 : 2021.01.05 09:45 更新 : 2021.10.13 12:17
それでもなお、マーチを販売する理由
ノートが新型となったタイミングで、旧態依然としたマーチはラインナップから消えると思っていた人は少なくないだろう。
しかし実際は、新型ノート発表前となる今年の7月にマーチは仕様向上を果たしている。
この仕様向上のメインはインテリジェントエマージェンシーブレーキを筆頭とする、先進安全装備の追加だった。
冒頭でもお伝えした通り、新型ノートはeパワー専用車となった。裏を返せば安価なガソリンモデルが存在しないということだ。
先代ノートのガソリンモデルで最も安価なものは、144万7600円の「S」だった。もちろん先進安全装備は標準装備である。
このグレードの最も大口の顧客は法人であり、社用車として導入しているところは多い。
しかし、eパワー専用車となった新型ノートは最も安価なものでも200万円を超えてしまう。
となると法人ユーザーが他メーカーへ流出してしまう可能性があるため、先進安全装備をプラスしてでもマーチを延命させる必要があったというワケなのだ。
ちなみに新しくなったマーチで最も安い「S」は、128万9200円とノートよりも15万円以上安く、先進安全装備が備わらないヤリスX「Bパッケージ」の139万5000円をも下回る非常に戦略的な価格となっている。
そのため、今マーチは法人ユーザーに向けて「最も売りやすい」モデルとなっており、日産にとってもなくてはならない存在ということなのである。