【チャイルドシート】5万円以上の高級モデルに異変 売れなくなった背景、コロナと関連も

公開 : 2021.01.01 07:05  更新 : 2022.03.25 18:50

高いチャイルドシートが売れなくなった理由

そして、今年の春以降、高額なチャイルドシートの販売実績が低下しているという。

それはなぜなのか?

国産チャイルドシートメーカーの広報担当者に聞いてみたところ……

「理由はCOVID-19の感染拡大に大きく関わっています。特に自粛要請が出た4月以降ですね」

「チャイルドシートは法律で使用が義務付けられていますからクルマを使う人は必ず何らかの方法で購入するものですが、外出が自粛されていたことによって、通販で買う人が急増しました」

「ざっくりいうと、ママは楽天、パパはアマゾンで買うことが多いようです」

「通販の場合、人気のチャイルドシートは3万円以下が主流です。5万円以上の高額なチャイルドシートは、お店に行って選ぶという方が多かったのです」

「通販で買う人が増えたから高額なチャイルドシートが売れなくなった……という見方があります」

しかし、高額なチャイルドシートが売れなくなったのはまだ他にもあるようだ。

「初孫の場合はとくに『6ポケット(子ども1人に対して、両親/両祖父母の合計6人の財布があることを指した言葉)』と言われるように、パパママそれぞれのご両親が競うようにして高額な育児用品を買っていました。その場合、いずれかのご両親とベビー用品店に見に行って決めるんですよね」

「初孫ですから、とにかく盛り上がりますよね。『このお店で一番高いのをください!』など。そんな選び方をしていました。必然的に高額商品が売れていたのです」

買い方、コロナ禍で大きく変化?

「しかし、コロナ禍でそれは大きく変わりました。ご家族で賑やかに買いに来られるパターンはなくなり、大体、パパ1人で買いに来るようになりました」(国産チャイルドシートメーカーの広報担当者)

密を避けるため、高齢の両親に感染させないため、もちろん妊婦に感染させないために。

「パパが1人でクルマに乗って買いに来ますから、『一番高いやつ下さい!』という買い方はしませんよね。パパの好みで、リーズナブルなチャイルドシートが良く売れるようになりました」

コロナとは関係ない理由もある。

育児用品の量販店でチャイルドシート売り場を担当するスタッフはこう分析する。

「チャイルドシートをプレゼントに使う例が減っているからではないでしょうか?」

「昔は出産祝いにサプライズプレゼントする、ということもよくありました。売り場に初孫の誕生を心待ちにする祖父母様がいらっしゃって……『とにかく一番高いものを』といって、あまり調べもせず、10万円近いチャイルドシートを買われていましたね」

「しかし、最近ではそれも減ってきています。チャイルドシートを選ぶ上でまず大切なのは車種適合だということが、浸透してきたからではないかと思います」

「どんなに高額で安全性が高くても、適合がバツなら装着できません」

「車種名や型式名、年式などを事前に知る必要があるのでサプライズでのプレゼントは難しくなり、高額なチャイルドシートはあまり売れなくなってしまったのです」

高額なチャイルドシートがあまり売れなくなった理由は様々にあるようだが、チャイルドシートでもっとも大切なことは言うまでもなく車種適合である。

チャイルドシートメーカーの公式サイトには必ず車種適合が確認できるページがある。

そこでまずは確認をして、適合で〇となったものの中から選ぶのがマストだ。

車種リストに自分のクルマがなければ、電話で確認してみて欲しい。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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