【けっこう違った】新型メルセデス・ベンツEクラス・クーペ、セダンとの差 走りの違いをレポート
公開 : 2021.01.05 17:45 更新 : 2021.10.09 23:24
いい意味の重さを感じさせる乗り心地
Eクラス・クーペには2タイプ(除AMG車)が設定され、E 300には上位設定のE 450(4マティック)同様に電子制御エアサスのエアボディコントロールサスを採用。
グレード名に「スポーツ」を冠しているくらいなので、エアサスを用いたからといって安楽快適志向の訳もないが、操安と乗り心地の両立点向上には大きく寄与している。
操安は低速から高速まで弱アンダーステア下でのラインコントロール性を重視したもので、多くの状況で加減速や路面のうねりに対する修正操舵は最小限に抑えられている。
高速の定常円旋回や直進時の操舵の据わりがよく、初めての道でも神経質にならなくて済む。
適度に引き締められたサスストローク制御が「安心と容易」の領域を拡大しているものの、ハンドリングは多くのMB車に共通する部分。
マニアックな魅力は希薄でも、道理に則した運転感覚はMB車の信頼の証でもある。
乗り心地は重質かつ肌触りがいい。伸び上がり少なく、路面に押し込むような沈み込み感がある。しかも揺れ返しは少なく、収まりがいい。
いい意味の重さを感じさせる乗り心地だ。
段差乗り越え等でも苛立つような刺激は抑えられ、挙動から感じる硬さに比べると路面当たりが優しい。車格を実感する乗り味だ。
はまるユーザーにはお買い得感が高い
今やクーペは4ドアが主流の印象さえあるが、伝統的な2ドアクーペは別物の魅力がある。
また、クーペと同時にカブリオレも試乗したが、車体の揺動などのオープンカーのハンデをほとんど感じさせない走りはクーペと大きく変わらない。
キャビンはクーペより多少狭くなるものの2ドア車では高い実用性を備え、同じオープンでもロードスター系とは異なる優美な雰囲気や車格感にも繋がっている。
2人のための寛ぎという視点ならばこの2車はパーソナルカーの中でも最上級ではないだろうか。
価格設定も興味深い。E 300セダン・スポーツに対してクーペは9万円高でしかなく、カブリオレでも46万円高。
実用性基準のコスパで劣るのは当然としても、ボディタイプ別のプレミアム性ならかなり値頃感がある。しかも、同価格帯に同級同カテゴリーのコンペティターがいない。
コンペティター不在はクラス/カテゴリーが不人気のせいとも言え、確かに伝統的なクーペに一般性があるとは思えない。
価格的にも適応用途でも、嗜好的にも少数派だが、はまるユーザータイプには買い得感が高いモデル。2人で豊かなプライベートタイムを楽しむならかなり魅力的だ。
メルセデス・ベンツE 300クーペ・スポーツのスペック
価格:919万円
全長:4845mm
全幅:1860mm
全高:1430mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):11.5km/L
CO2排出量:-
車両重量:1800kg
パワートレイン:直列4気筒1991ccターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):258ps/5800-6100rpm
最大トルク(エンジン):37.7kg-m/18000-4000rpm
ギアボックス:9速オートマティック