【乗り心地や操縦性を向上】トヨタ・ハイラックス2.8 インビンシブルXへ試乗 小変更
公開 : 2020.12.24 10:25 更新 : 2021.01.28 17:52
洗練度を増した乗り心地と操縦性
一旦クルージングに入ってしまえば、エンジンは静かに回転。低速トルクも太く、荷物を積んだり、トレーラーを引っ張ったり、本来の目的通りの走りも余裕でこなす。
6速ATの変速は、とてもスムーズ。比較的低めのギアを保ってくれるから、中回転域のトルクを活かした運転もしやすい。
乗り心地や操縦性も、フェイスリフトで洗練度を増している。トヨタによれば、荷台に荷物を積んだ状態でリアのショックアブソーバーやリーフスプリングを最適化させていない、初めてのハイラックスだという。とはいえ、4ドアサルーンと間違えることはないだろう。
高速域での操舵性を高めるため、可変アシストの油圧パワーステアリングを採用。起伏を超えた時やアクセルを踏み込んだ時に、ノーズの上下動を抑える新しいトルク制御システムも追加されている。
実際、ハイラックスは多くの路面を穏やかに走り、郊外の道でも指摘するほどの揺れは感取されない。強い隆起部分を通過した時に、少し落ち着きがなくなったり、進路が少しよれる程度だ。
ステアリングホイールの操舵感は重め。しかし高速域でも反応は正確で、ピックアップの水準でいえば操縦性は優れている方だ。
ボディの幅はあまり気にならないし、狭い車線でクルマを中心に保って走ることも難しくない。ボディロールやアンダーステアも、よく抑えられている。
10年後も生き残っていてほしい
メルセデス・ベンツのピックアップ、Xクラスは生産が終了してしまった。フォルクスワーゲン・アマロックも、フォード・レンジャーのバッジエンジニアリングになる予定。
プレミアム・ピックアップというカテゴリーは消えつつある。一方で、トヨタ・ハイラックスのタフな特徴に変わりはない。
ライフスタイル・ピックアップが今後10年でどのように変化するのか、予想は難しい。しかしトヨタ・ハイラックスなら、10年後も生き残っていられるだろう。
クリスマス・プレゼントや週末をアウトドアで過ごす道具をたくさん積んだり、オフロードバイクなどを牽引したいと思うなら、トヨタ・ハイラックスは最適解の1つになるだろう。2021年は、もっと自由に週末は出かけられることを祈りつつ。
トヨタ・ハイラックス・ダブルキャブ2.8 D-4D インビンシブルX(英国仕様)のスペック
価格:4万475ポンド(546万円)
全長:5330mm(標準ハイラックス)
全幅:1855mm(標準ハイラックス)
全高:1815mm(標準ハイラックス)
最高速度:175km/h
0-100km/h加速:10.7秒
燃費:10.1-10.5km/L
CO2排出量:248-259g/km
車両重量:2125kg
パワートレイン:直列4気筒2755ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:203ps
最大トルク:50.9kg-m
ギアボックス:6速オートマティック