【ひとり勝ち確定?】なぜトヨタGRヤリスを皆、誉めるのか この時代に出てきたことに拍手 RSに試乗

公開 : 2020.12.22 05:45  更新 : 2021.10.09 22:33

ついに試乗 至上体験のはずがアレ?

ホモロゲモデル、リッター170psの高出力、4駆(WRCで名をはせたGT-FOURだ!)、専用ボディとマッチョなタイヤ。

クルマ好きの感性を刺激しまくるGRヤリスをついにドライブする瞬間がやってきた! と興奮が最高潮に達したところで編集担当氏から「今回のグレードはRSですので」と一言(!)

トヨタGRヤリスRSのシャシー自体はトップモデルと一緒だが、パワートレインは1.5Lの自然吸気120ps+FF+CVT。
トヨタGRヤリスRSのシャシー自体はトップモデルと一緒だが、パワートレインは1.5Lの自然吸気120ps+FF+CVT。    神村 聖

エントリーグレードのRSは120psを発揮する1.5Lの自然吸気3気筒エンジンとCVTの組み合わせで、駆動方式はFFである。

一瞬呆気にとられたが、とはいえボディやアシ、そしてタイヤ等々は4駆モデルと同一だ。実際にボディ剛性の異常なまでの高さは、走りはじめてすぐに理解できた。

ステアリングまわりの精度、ハイスピード時の操舵の滑らかさも他の国産車では例えようがない。

圧倒的にシャシー優勢なRSなので、あらゆるコーナーに自信をもって突っ込める。

頭の中に 「良い物感」とか「凝縮感」といった表現が満ちていく。FFのRSも悪くない。

けれど試乗後は、この盤石のボディに272psのエンジンと、前後の駆動配分を変えられる4駆が組み込まれたらどんな化学変化が起きるのだろうか? という妄想が溢れて止まらなかった。

脳内悶々の初GRヤリス体験だった。

ライバル不在、GRヤリスひとり勝ち確定か

GRヤリスの登場に食指が動いた人は40代より上の人ではないかと察する。それも車歴にランエボやインプあたりが含まれるクルマ好き。

またはそれらの新車を買いそびれて中古車情報を読み漁り、「最近ランエボの値段が上がっちゃって」と嘆いているような人。

RSは265万円、最上級のRZハイパフォーマンスでも456万円
RSは265万円、最上級のRZハイパフォーマンスでも456万円    神村 聖

GRヤリスが今という時代にウケる要素は数多ある。

「終の1台としてポルシェが欲しかったけど、こんなご時世だからヤリスにしておくわ」といえば家族のチェックをかいくぐれる可能性大だし、スペックから考えた車両価格もバーゲンという他ない。

今回試乗したRSは265万円だし、最上級のRZハイパフォーマンスでも456万円なのだ。

ラリー系ホモロゲ車を見渡してもランエボは2016年、スバルWRX STIも先ごろ生産を終了している。

ライバル不在のところにタイミングよく出てきたGRヤリスにライバルはいないし、他と比べる必要もないくらい魅力的でもある。

しかもトヨタの元町工場でGRファクトリーの職人が組み上げるアナログにしてピュアなガソリン車は、おそらくこれが最後ではないか?

クルマ好きならば日本に生まれたことを感謝しつつ、免許を返納する日までGRヤリスでヤンチャに楽しむのが吉だ。

トヨタGRヤリスRSのスペック

価格:265万円
全長:3995mm
全幅:1805mm
全高:1455mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:18.2km/L(WLTCモード)
CO2排出量:128g/km
車両重量:1130kg
パワートレイン:直列3気筒1490cc
最高出力:120ps/6600rpm
最大トルク:14.8kg-m/4800-5200rpm
ギアボックス:CVT
駆動方式:FF

トヨタGRヤリスRS
トヨタGRヤリスRS    神村 聖

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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