【2020年 勝ち組/負け組】42ブランド 英国市場シェア比較 トヨタ、VWが躍進
公開 : 2020.12.29 16:25
多くのブランドが競争を繰り広げている自動車大国、英国における2020年の市場シェアを紹介します。ロックダウンや環境規制など、自動車業界にとって厳しい1年で、各ブランドの実力が試された年でもありました。
もくじ
ー「大変革」の時代、明暗が明らかに
ーA~C アウディが順調な追い上げ
ーD~H 首位フォードは不安な兆し
ーJ~L 新型ディフェンダーが活躍
ーM~N 日産ジュークはインパクト薄
ーP~R ポルシェ・タイカンが絶好調
ーS スバルは年間1000台に満たず?
ーT~V トヨタ、新型車投入で前進
ー売れ行きが好調だったカテゴリー
ー売れ行きが不調だったカテゴリー
「大変革」の時代、明暗が明らかに
2020年、英国で販売された42ブランドの市場シェアを比較する。2019年と比べて大きな成長を見せたものと、低迷しているものとの違いはどこにあるのだろうか。
英国における2020年の新車登録台数の合計は約156万台になると、調査会社のSMMTは予測している。新型コロナウイルスの感染拡大が原因で、2019年から32.5%の大幅な減少となり、1982年以来最低となる。ピークは2016年の269万台だった。
2021年は200万台と予想されている。パンデミックや環境規制、消費者の嗜好の変化など自動車業界は難しい状況に置かれているが、希望をつかむのはどのようなブランドなのだろうか。2020年の市場シェアを振り返ることで、何か見えてくるものがあるかもしれない。
以下、各ブランドの英国市場におけるシェアをアルファベット順に紹介する。
A~C アウディが順調な追い上げ
アルファ・ロメオ
2019年:0.15% 2020年:0.12%
アルファの英国市場シェアは、1960年代以来最少を記録した。特にSUVのステルヴィオの販売は悲惨で、ジャガーFペイスに10対1の比率で敗れるなど、クラス最悪の成績を出した。
アルピーヌ
2019年:0.01% 2020年:0.01%
A110は運転の楽しさを提供するクルマとして高く評価されているが、ルノーとのつながりがブランドイメージに悪影響し、厳しい戦いを強いられている。アルピーヌを「ミニ・フェラーリ」にするという新社長、ルカ・デ・メオの計画は成功するのだろうか?
アストン マーティン
2019年:0.07% 2020年:0.05%
ブランド初のSUV、DBXの発売が近年最大のイベントとなるはずだったが、アストンは資金難により倒産寸前に陥ってしまった。メルセデスの持ち株増加(20%まで)により一筋の希望は見えているが、来年どれだけ回復できるかが肝となる。
アウディ
2019年:6.01% 2020年:6.70%
2018年と2019年に、新しいWLTP排出ガス基準に準拠していないことが原因で大幅に売上を落としたアウディは今年、往年のライバルであるBMWとメルセデスに対し、背後から激しくプレッシャーをかけている。
ベントレー
2019年:0.07% 2020年:0.08%
ベントレーの英国市場シェアは過去3年間でわずかに上昇したが、モデルレンジが大幅に拡大したことを考えると、特に素晴らしい結果とは言えない。
BMW
2019年:7.34% 2020年:7.02%
新型3シリーズはベストセラーの高級車として好調な販売を示しているが、車名に2、4、5がついているモデルは大幅に減少している。しかし、これは一部改良や買い替えによるものかもしれない。
シトロエン
2019年:2.20% 2020年:1.76%
シトロエンは過去10年間で市場シェアの半分を失った。他社との差別化に苦労しており、新型ハッチバックのC4や、電動モデルe-C4が助け舟となるかどうかはまだわからない。