【未来の2CVはどんなカタチ?】シトロエン・アミEVへ試乗 かわいいシティ・マイクロカー

公開 : 2020.12.28 19:05  更新 : 2021.05.18 16:15

シトロエンのチャーミングな2人乗り電気自動車。フランスでは販売が始まっている、新しいモビリティの1つです。最高出力は8psですが車重485kgのコンパクトなボディで、軽快な走りが楽しいと英国編集部は評価します。

シトロエン・アミ・ワンの量産版

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
これは、普通自動車ではない。タイヤは4本で、電気モーターを積んでいる。2シーターで2ドア。ステアリングホイールが付いていて、ペダルは2枚だけ。クワッドサイクルと呼ばれるタイプのクルマだ。

小さく軽量なルノー・トゥイジーなどと同じ、シティ・マイクロカーに当たる。欧州の交通環境では、クワッドサイクルには自動車とは違うルールが適用され、自由度も高い。

シトロエン・アミ(欧州仕様)
シトロエン・アミ(欧州仕様)

国によってはクワッドサイクルには普通自動車の免許が不要で、14歳から運転できる。厳しいクラッシュテストに合格する必要もないし、環境規制に準拠する必要もない。

ロンドン中心部でも、かなりの数のクワッドサイクルが走っている。筆者がお世話になっている歯科の麻酔科医も1台所有していて、少し前にどんな印象か聞かれたことがある。

その麻酔科医は、筆者の意識状態を確認する目的があったのかもしれない。顎に何かを押し込みながら聞いてきた。わたしは、「素晴らしい乗り物だと思いますよ」。と答えた。本心ではなかったけれど。

しかし、2019年のスイス・ジュネーブモーターショーでシトロエン・アミ・ワンというコンセプトカーを目にして以来、小さなシェブロンに強い興味を抱いてきた。量産が始まっており、フランスでは購入のほか、レンタルも可能だ。

2021年には、ほかの左ハンドルの国でも利用できるようになるという。英国でも乗れるようにしたい、とシトロエンは考えている。実現するかどうかは、英国市民の反応次第。みんなで、乗りたいと声をあげよう。

左右のドアや前後のボディパネルは共通

全長は2.41mしかなく、全幅は1.39m。参考までに日本の軽自動車は全長3.4mで、全幅は1.48mほど。バッテリーを搭載しない状態で、車体の重さは425kg。クワッドサイクルとしては重たい方で、残念ながらアミには運転免許が必要だ。

バッテリーの容量は5.5kWhあり、床下に搭載される。バッテリーも含めた車重は485kgとなり、航続距離は69km、最高速度は45km/hに制限されている。

シトロエン・アミ(欧州仕様)
シトロエン・アミ(欧州仕様)

筆者の心を奪ったアミ・ワン・コンセプトから、量産版のシトロエン・アミのデザインは変化している。コンセプトカーは、全体的に光沢があって滑らかなボディだった。量産版では、マットグレーの箱のようなカタチになっている。共通性は残っているけれど。

このアミ・ワンにはコンセプトカーと同様に、シンプルというコスト削減のテーマがある。左右のドアは共通。助手席側のドアはフロントヒンジで、運転席側はリアヒンジになっている。

ボディ四隅のパネルも共通。フロントとリアは、まったく同じデザインなのだ。進行方向は、屋根の傾斜やガラス周りのデザイン、ライトの色などでわかるだろう。

外からドアを開くには、大きなボタンを押す。車内からは、布製のハンドルを引っ張る。サンルーフが標準装備で、車内の表面積の半分近くはガラスが占めている。普通車と違って、車内は明るく開放的だ。

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