【未来の2CVはどんなカタチ?】シトロエン・アミEVへ試乗 かわいいシティ・マイクロカー
公開 : 2020.12.28 19:05 更新 : 2021.05.18 16:15
軽い車体に正確な操舵感でキビキビ走る
充電ケーブルは助手席側の後ろにしまってある。約3時間で充電できるという。このクワッドサイクルはシティ・マイクロカーだから、都市部での移動が目的。急速充電器には対応していない。いい換えれば、地下鉄やバス、スクーターなどにかわる移動手段。
電動スクーターなどのように自身で購入もできる。アミの価格は、英国では6200ポンド(83万円)程度になるだろう。パリの場合は、公共サービスとして1分単位でレンタル利用もできる。
とてもベーシックな乗り物ではある。でも、魅力がないわけではない。車重500kgを切る軽さだから、運転は楽しい。
乗り心地は硬めだが、硬すぎることはない。操舵感はおっとりしているものの、反応は正確。ボディは小さいから、四隅の見切りも良い。ドアミラーも小さいが、窓は広く運転席は後ろ側だから、周囲の状態なども掴みやすい。
全高は1.52mあり、しっかりしたボディが囲んいるため、交通量が多い道路でも圧迫感はあまり感じずに済む。もちろん、速くはない。
電気モーターの最高出力は8ps。一桁間違っているわけではない。回転直後から大きなトルクを発生し、リダクションギアでキビキビ走る。
モーターはフロントにあり、後輪駆動。タイヤのサイズは14インチ。交差点から気持ちよく加速する。アクセルを目一杯踏み込めば、すばしっこい。最小回転直径は、7.2mと小回りも充分。
チャーミングなシティ・マイクロカー
右ハンドル環境のロンドンで運転する左ハンドル車は、視認性が悪くなりがちだが、アミなら問題ない。歩道側に乗り上げるときなどは、左ハンドル車の方が便利だったりする。
ただし、歩道脇の充電器前に停める時は、注意が必要。アミの充電ケーブルが道路側に来てしまう。
バイクなどと違って、寒い風にさらされたり、雨に濡れる心配はない。安全性も2輪車よりは高い。でも、渋滞の間を縫っては走れない。
新車と中古車とで価格を比べるのは好まないものの、6200ポンド(83万円)も出せば、色々な中古車が選べてしまう。客観的に考えれば、良い側面も多いが、良くない側面も同じくらいあるだろう。
シトロエンは、アミはセカンドカーとしての需要があると考えている。実用性に制限はあるものの、中小企業からのニーズもあるだろうと考えている。筆者もその可能性はあると思う。
とてもチャーミングな、好印象なシティ・マイクロカーだ。これまで、このカテゴリーのクルマをお勧めすることはなかった。でも今回は本心。麻酔科医に聞かれたと時は違う。
シトロエン・アミ(欧州仕様)のスペック
価格:6200ポンド(83万円/予想)
全長:2410mm
全幅:1390mm
全高:1520mm
最高速度:45km/h
0-100km/h加速:−
航続距離:69km
CO2排出量:0g/km
車両重量:485kg
パワートレイン:電気モーター
バッテリー:5.5kWhリチウムイオン
最高出力:8ps
最大トルク:−
ギアボックス:ダイレクトドライブ