【日本人初F1チャンピオンへ】四輪参戦たったの4年でF1昇格 角田裕毅オンライン会見 自然体の生き方

公開 : 2020.12.24 06:50

久しぶりに日本人F1レギュラードライバーが誕生しました。角田裕毅選手がオンライン会見で語ったことを中心に、偉業達成の可能性を桃田健史が考えます。

日本では異例、5年でF1昇格

text:Kenji Momota(桃田健史)

2000年生まれの若干20歳。

久しぶりに日本人F1レギュラードライバーが誕生した。

角田裕毅選手
角田裕毅選手    スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ

だが、「角田裕毅(つのだゆうき)」という名前を聞いても、一般的には馴染みがないだろう。

それどころか、モータースポーツファンの中でも角田選手について詳しく知っている人はけっして多くないはずだ。

なにせ、四輪レースに出場したのはいま(2020年)から4年前の2016年。ホンダが主催するプロレーサーへの登竜門、「鈴鹿レーシングスクール」を受講した後、フォーミュラ―カーの入門カテゴリーであるF4シリーズに2018年まで参戦し、シリーズチャンピオンとなる。

そこからたった2年で最高峰F1まで駆け上がるとは、角田選手自身もその時点ではまったく予想していなかった、とみずから語っている。

2019年に初めて海外レースのF3に参戦。2020年にさらに上位のF2参戦となり、ポールポジション4回/優勝3回でシリーズ3位となった。

そして、ホンダがエンジン供給するアルファタウリで、シーズンオフテストに参加し、見事な走行と、マシンの状況をエンジニアに対して適切に伝えるフィードバック能力の高さなどが評価され、2021年の正式F1ドライバーの座を獲得した。

国内3年、海外2年で一気にF1という、極めて異例のステップアップを成し遂げた。

ドライバーに求められる資質とは?

角田選手のケースは、まさに、理想的なステップアップであり、自動車メーカー各社が長年望んでいた成功事例だと言える。

そもそも、四輪モータースポーツは参戦費用が大きく、入門カテゴリーでも年間予算は数百万円かかる。その後は、予算は年間数千万円レベルに上がっていく。

角田選手のケースは、まさに、理想的なステップアップであり、自動車メーカー各社が長年望んでいた成功事例だと言える。
角田選手のケースは、まさに、理想的なステップアップであり、自動車メーカー各社が長年望んでいた成功事例だと言える。    スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ

そうした個人としては莫大な金額を、10代や20代の若者が負担することは一般的には無理であり、結果的に親の支援が受けられる富裕層の子息に上位レースへのステップアップの機会が多くなってきた。

長年に渡り、レーシングドライバーの資質は、体力/精神力/資金力と言われてきたものだ。

一方で、いわゆるワークスという枠組みもある。

自動車メーカーが自社製品の基礎研究として、またブランドイメージ向上のためのマーケティング素材として、企業としての年間予算の中で、モータースポーツ関連経費を計上する。

日本でのワークス活動は、経済高度成長期にあたる1960年中盤から後半に盛んになった。

トヨタ日産がルマン24時間や、当時アメリカ・カナダで人気を博したCam-Am(カンナム)シリーズなどで使用されていたプロトタイプレーシングカーによる日本グランプリ参戦。

また、ホンダは2輪世界選手権、さらにF1へと戦いの場を広げた。

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