【詳細データテスト】マクラーレン620R レースカー譲りの硬さとうるささ 温度依存性の強いタイヤ それでも手に入れたい

公開 : 2020.12.26 20:25  更新 : 2021.01.06 23:21

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

620Rの本体価格は25万ポンド(約3500万円)。ビジュアル的な装飾やチタンのスーパースポーツエキゾースト、ルーフ上のエアスクープを含むRパックは2万5000ポンド(約350万円)のオプションだ。

2018年の発売時に14万ポンド(約1960万円)だったポルシェ911 GT3 RSと比べると、このマクラーレンの値付けは高いように思える。だが、350台しか生産されない限定車であり、GT3 RSはおろか、もっと高価なGT2 RSと比べても、投入されたレースカーのテクノロジーはずっと踏み込んだものだ。

3年後の予想残価率は54%で、これはランボルギーニ・ウラカン・エヴォAWDの49%やメルセデスAMG GT Rプロの39%を上回る。
3年後の予想残価率は54%で、これはランボルギーニウラカン・エヴォAWDの49%やメルセデスAMG GT Rプロの39%を上回る。

フェラーリ488ピスタや、最近登場したばかりだが、おそらく620Rにもっとも近いスピリットを持ったランボルギーニ・ウラカンSTOは、いずれも25万ポンド近いモデルだ。となると、マクラーレンは賢明にマーケットを見極めたといえる。

日常使いを考えると、レーススペックの手動調整式ダンパーを得た代わりに、ノーズリフト機構を失ったことは注目すべきだ。われわれの経験上、マクラーレンのどのモデルでも、スピードバンプや段差に手を焼くことは少なくないだけに、これは付けておきたいデバイスだといえる。

対して、GT4マシンの血統といえども、ほかの量産マクラーレンと何ら変わらないのが整備サイクルだ。1.5万kmもしくは15か月の、いずれか早く訪れたほうがメンテナンスのタイミングとされている。

サーキット走行のサポートサービスは車両価格に含まれないが、ピュア・マクラーレン・トラック・デイの参加費用は込みとなる。これは、世界中の最高レベルのサーキットの多くでプロのドライビングレッスンやホスピタリティが提供されるものだ。となれば、高い価格も納得だ。

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