【価格帯ベストの純EV】テスラ・モデル3 スタンダードレンジ・プラス 287psで408km
公開 : 2021.01.04 19:05 更新 : 2021.05.18 16:14
バランスが良い後輪駆動のシャシー
スタイリングでは、サテンブラック仕上げのドアハンドルが新しい。18インチか19インチのアルミホイールには、空気抵抗を良くするエアロカバーが装着されるが、このデザインも一新されている。
車内を覗くと、ドアハンドルと同じサテンブラック仕上げのパーツが散りばめられている。大きな15インチ・センタモニターの下には、USB-Cポートと2基のスマートフォン充電パッドが追加された。
センターモニターに、クルマの運転操作以外の機能が集約されていることは従来どおり。インテリアデザインは、変わらずスマート。電動のテールゲートが標準装備になっている。
走らせてみると、相変わらずエキサイティングで、直感的にテスラ3を操れる。一方で、しっくりこない部分も残っていた。
ハンドリングは機敏で、反応も良い。軽快によく走る。頭上には全面のパノラマ・グラスルーフが広がり、ダッシュボード上部にはウッドトリムが気持ちよく伸びる。シンプルで静かな空間を邪魔するものは一切ない。
しかし、サスペンションのスプリングレートが無用に高い。スポーティに感じさせることは確かだが、市街地でも高速域でも、穏やかな乗り心地は得にくい。
ステアリングホイールの操舵感は、とても正確なのに無感覚。後輪駆動のモデル3 スタンダードレンジのシャシーはバランスが良く、アクセルペダルで姿勢を変えていけるだけに、残念なポイントだ。
コーナリング中に右足を緩めると、フロントが内側へ巻き込まれていく。まるでミドシップのスポーツカーのように。
運転するほど実感できるライバルとの差
ポルシェ・タイカンのようなステアリングフィールを、半分の価格のテスラへ期待することは難しいことではある。技術者の経験値も異なるはず。だが、充足感あるドライビング体験の可能性が見え隠れするだけに、欲求不満が溜まってしまう。
2021年になっても、テスラ・モデル3の競争力の高さは、この価格帯では変わらない。純EVの中では無視することができない存在だ。
モデル3の動的性能の活発さは、他を寄せ付けないほど高い。その違いは、スタンダードレンジを普段遣いするだけでも実感できるはず。
加えて英国では、テスラによる急速充電網、スーパーチャージャー・ネットワークが存在する。テスラ・モデル3のライバルとの優位性は、運転するたびに実感できるだろう。
テスラ・モデル3 スタンダードレンジ・プラス(英国仕様)のスペック
価格:4万490ポンド(546万円)
全長:4694mm
全幅:1850mm
全高:1443mm
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:5.3秒
航続距離:408km
CO2排出量:0g/km
車両重量:1625kg
パワートレイン:永久磁石モーター1基
バッテリー:54kWhリチウムイオン
最高出力:287ps
最大トルク:38.2kg-m
ギアボックス:−