ボルボV70 D5 SEラックス・ギアトロニック
公開 : 2013.12.19 21:00 更新 : 2021.03.05 21:37
■どんなクルマ?
今年で7年めの迎えるボルボV70のフレッシュアップされたモデルだ。2014年モデルとなるV70は、フロントおよびリアをよりワイドに低くみせるための変更と、クロームの装飾が施された。また、コネクティビティがアップされTFT液晶が与えられたインストルメント・ディスププレイが与えられ、セーフティ・システムのアップグレードも行われる。
エンジンは212bhpを発揮する最も強力な2.0ℓ5気筒ターボ・ディーゼルがD5には搭載される。6速トランスミッションは£1,485(25万円)のオプションだ。しかし、このV70 D5のエンジンは16.1km/ℓの燃費と164g/kmのCO2排出量を持つ。残念ながらこれはライバルよりも劣る数値だ。BMW 525dツーリングは、19.6km/ℓ、134g/kmである。
非力なD50は、マニュアル・トランスミッションとの組み合わせほほうがベストなのかもしれない。
■どんな感じ?
0-96km/h加速7.5秒というパフォーマンスを持つ。2500rpmからエンジンは途端に耳障りなノイズを発するようになるが、それ以下に回転数を抑えて走れば静かで洗練された走行が可能だ。広々としたキャビンを持つV70は、高速クルーザーとしては合格点が与えられよう。一定速度で走る分には、乗り心地、ハンドリング、操縦性などまったく問題は感じられない。ステアリングは若干軽めだが、NVHの抑えこみはトップ・クオリティだ。
ただし、一般道、しかも平坦でない路面では若干ドタバタとする他、そのサイズの大きさも気になるところだ。
しかし、そのサイズも積載能力という点ではすぐれる。トランクは575ℓの容量を持つが、リア・シートを倒せば1600ℓになる。ライバルとなるスコダ・スバーブやメルセデス・ベンツEクラスは600ℓ以上のブート・スペースを持つが、ボルボのフラットなフロアと大きな開口部はより魅力的だ。実用性という意味ではボルボのほうが一歩抜きん出ている。
最新のV70は、最新のセーフティ・システムを持っている。歩行者とサイクリストを感知するブラインド・モニターや、自動ブレーキ・システムをはじめ、危険を事前に察知して警告あるいは対応するシステムである。それらのオプションは£1,900(32万円)だが、それを出すだけの価値はありそうである。
■「買い」か?
V70の装備は充実しているが、このエンジンということを考えれば決して安くない。ただし、BMW、メルセデス・ベンツ、アウディといったドイツ・トリオより優れた点はそのセーフティ・システムであろう。
(マット・バート)
ボルボV70 D5 SEラックス・ギアトロニック
価格 | £37,455(637万円) |
最高速度 | 220km/h |
0-96km/h加速 | 7.5秒 |
燃費 | 16.1km/ℓ |
CO2排出量 | 164g/km |
乾燥重量 | 1745kg |
エンジン | 直列5気筒1984ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 212bhp/4000rpm |
最大トルク | 44.9kg-m/1500-3000rpm |
ギアボックス | 6速オートマティック |