【8ナンバーのキャンピングカー】なぜ減った? 背景に需要の変化 「脱法」への厳しい規制、メリット減も
公開 : 2020.12.28 07:05 更新 : 2022.03.25 18:50
車中泊車、ライトキャンパーが急増
構造要件が厳格化されて十数年。脱法8ナンバーが新たに登録されることがなくなったが、本来のキャンピングカーにおいてはどうだろうか?
こちらも、キャンピングカーそのものは人気があり、増加傾向にあるが、あえて8ナンバー登録にしないケースも増えているという。これらのキャンピングカーは「車中泊車」や「ライトキャンパー」などと呼ばれている。
ライトキャンパーが増えている理由はどのようなことだろうか?
キャンピングカービルダーやディーラーで組織される一般社団法人日本RV協会に聞いてみた。
「キャンピングカーのニーズが変わってきていると感じます。特に近年は、キャンピングカーらしい形を好まない層が増えている印象です」
「それは、ふだん使いをしたいということもありますし、キャンピングカーを所有していると『お金持ち』という目で見られることもあり、目立つことを好まないオーナーが増えているのでしょう」
「また、物理的な問題でマンション住まいでは、ワンボックスのハイルーフですら駐車場に入らない……という方もいます」
「おもに、通勤や家族の送迎、買い物などふだん使いをしたいオーナーは8ナンバーのキャンピングカーを敬遠しているようです」
「車中泊の人気が高まっていることも影響しているでしょう。単にクルマの中で体を伸ばして寝られるだけでいいという人は車中泊車やライトキャンパーと呼ばれるクルマを買いますね」
8ナンバーキャンパーが減った理由
日本RV協会によると、最近では「ライトキャンパーが売れる!」という理由で、ディーラーで販売されるケースも増えてきたとのこと。
日産NV200やホンダステップワゴン、トヨタハイエースなどがベース車として多いそうだ。
さらに、ライトキャンパーだけではなく、キャブコンと呼ばれる本格的なキャンピングカー(8ナンバー登録)をディーラーで販売するケースもあるという。
また、近年、人気急上昇のスズキ・エブリイやダイハツ・ハイゼット、ホンダNボックスなどの軽ワンボックス車をベースにしたキャンピングカーは、ほとんどが8ナンバー登録にしないライトキャンパーだという。
「そもそも軽ワンボックス車では8ナンバーの構造要件である、室内高1600mmを確保することからして困難でしょう。キャブコンかポップアップルーフの構造じゃないと難しいでしょうね」
「ですが、軽キャンパーを好む人たちはそこまでこだわったキャンピングカーが欲しいわけではないようです」
かつては今でいうところのライトキャンパーでも8ナンバー登録が可能で税金や車検期間の延長など多くのメリットがあったが、今は違法8ナンバーのメリットはほぼ消滅している。
キャンピングカーは年々販売台数が伸びていて大人気ではあるものの、ライトなキャンピングカー好むオーナーが増えている。
ゆえに、8ナンバー登録のキャンピングカーじたいは全体から見ると減少傾向にあるということなのだろう。