【欧州では新型の予約販売開始】日本で試乗 7代目VWゴルフRに求めたモノ、8代目新型ゴルフRに望むモノ

公開 : 2021.01.02 09:45  更新 : 2021.10.13 12:18

今もなお鮮烈なパフォーマンスを発揮

久々に対面したゴルフRは、他メーカーのハイパフォーマンスモデルとは異なり、大迫力のエクステリアというわけでなかった。

もちろんベースのゴルフと比較すればスポーツグレードらしいバンパーやスポイラーを備えてはいるが、これ見よがしなウイングやボコボコと開けられたインテイクなどもなく、クルマにそこまで興味のない人からすれば、何の変哲もない5ドアハッチバック車に見えることだろう。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(8代目)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(8代目)

そういった意味では赤いラインが備わるGTIの方が、ホットハッチであることの主張は強いのかもしれない。

しかし、一たびアクセルを踏み込めば、Rの称号は伊達ではないことを思い知らされる。後ろから蹴飛ばされたかのようなスタートダッシュを決めると、あとは路面状況に応じて前後トルク配分をリアルタイムに変化させる4モーションが路面を捉え続ける。

タウンスピードではややゴツゴツ感のあった足回りも、速度が上がるにつれて恐ろしいまでのスタビリティを発揮してくれる。

パドルシフトで操作すると即座にシフトチェンジが完了するDSGに至っては、人間の無力さを実感してしまうほどの切れ味だ。そこにモデル末期であることの悲壮感を微塵も感じることは出来なかった。

演出過剰気味なハイパフォーマンスモデルが多い昨今において、落ち着いた佇まいを見せるゴルフRは貴重な存在といえるだろう。

新型はよりパフォーマンスが向上することがアナウンスされているが、個人的にはこれ以上なにを望むのか、というのが正直なところ。逆に言うと次はどんな進化を見せてくれるのか、非常に楽しみということである。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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