【ナイフvsハンマー】スカイラインGT-RとポンティアックGTO GTを名乗る日米の2台 前編
公開 : 2021.01.16 07:25
初代GT-Rの製造台数はわずか1917台
リミテッドスリップ・デフは、標準で搭載。その一方、軽量化の目的で削ぎ落とされ、ラジオだけでなくヒーターすら備わっていない。
3代目スカイラインをベースにした初代GT-Rが製造されたのは、1917台のみ。PGC10型と呼ばれる4ドアが832台。残りはKPGC10型と呼ばれる、ホイールベースが70mm短いクーペだった。
1965年式ポンティアック・テンペスト・ル・マンの場合、ハードトップ・ボディはGTOの専用設定。今回ご登場願ったGTOは、テキサス州のポンティアック・ディーラーで注文を受けている。
21にも及ぶオプションが追加され、基本モデルの2550ドルという価格は4026ドルにまで上昇。エアコンのほか、ワンダータッチと呼ばれたパワーステアリングとブレーキも装備されている。
Mk Xのジャガーよりボディは大きいものの、リアシートは広くない。巨大なテールから伺えるとおり、荷室空間は余裕たっぷり。全体的なプロポーションは伸びやかで優雅だ。
フロントブレーキは社外製のディスクに交換してある。新品同様のコンディションにあり、3万4000ポンド(459万円)という価格はお手頃に感じられる。
このGTOは、180ドルの追加が必要だった348psのトライパワー仕様ではなく、329psでエアコンも付いている。クロームメッキが施されたバルブカバーが眩しいが、V8エンジンは鋳鉄製。工業的で機能性重視の雰囲気がある。
現代的で美しいとさえいえる、日産の直列6気筒エンジンとは対照的。GT-Rの車内を覗くと、低い位置にバケットシートが据えられている。高速でのコーナリングが前提であることを、強く匂わせる。
この続きは後編にて。