【緊急事態宣言なら?】12月の新車販売から見る 2021年、日本車マーケットの先行き

公開 : 2021.01.06 07:05

緊急事態宣言の再発令が見込まれるなか、2020年12月の日本車の販売台数が発表に。12月単月は上向きですが、通年では大台割れ。この1月はどうなるのでしょうか。

2020年 通年で500万台割れ

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

国内の新車販売は、新型車の堅調な受注をバックボーンに、新型コロナウイルス感染拡大の影響から改善しつつある。

2020年12月の登録車の新車販売台数は、前年同月比7.4%増の24万3753台と、3か月連続で前年実績超え(日本自動車販売協会連合会まとめ:速報値)。

トヨタの12月の新車販売台数は、2019年同月比10.4%増を記録。ヤリス、ヤリス・クロス、GRヤリスというヤリス・シリーズが好調を牽引した。
トヨタの12月の新車販売台数は、2019年同月比10.4%増を記録。ヤリス、ヤリス・クロス、GRヤリスというヤリス・シリーズが好調を牽引した。    AUTOCAR編集部

また、12月の軽自動車の国内新車販売台数は、同15.4%増の13万6143台と3か月連続でのプラスとなる(全国軽自動車協会連合会まとめ:速報値)。

結果として、トータルでの国内新車販売台数は同10.1%増の37万9896台と、3か月連続で前年実績を上回った。

なお、2020年度(2020年1月~12月)の新車販売台数は、前年同期比11.5%減の459万8615台と2年連続でのマイナスで、かつ4年ぶりの500万台割れ。

しかも、東日本大震災の影響があった2011年度の15.1%減以来の大幅な落ち込みとなる。

このうち、登録車は同12.3%減の288万527台、軽自動車は同10.1%減の171万8088台と、コロナ禍の影響で大きく数字を落とした。

12月の登録車 COTY大賞のスバルは47%増

登録車の12月のブランド別新車販売台数では、新型車や特別仕様車を積極的にリリースしたブランドの回復ぶりが際立った。

新型ヤリス・シリーズなどの販売が好調なトヨタは、前年同月比10.4%増(11万6630台)。ノートを新型に切り替えた日産は同8.7%増(2万1041台)。

トヨタのもう1台の主役が、小型SUVのライズ。顔違いのダイハツ・ロッキーも人気を博し、2020年のダイハツは前年比プラスを達成。
トヨタのもう1台の主役が、小型SUVのライズ。顔違いのダイハツ・ロッキーも人気を博し、2020年のダイハツは前年比プラスを達成。    AUTOCAR編集部

新型フィットのほかにオデッセイなど主要モデルの商品改良を行ったホンダは同19.5%増(2万989台)。

新型レヴォーグの発表を行ったスバルは同47.8%増(9097台)、商品改良を図ったクロスビーなどの販売が堅調なスズキは同10.1%増(9092台)。

旗艦セダンのLSやFRスポーツセダンのISなどの商品改良を実施したレクサスは同29.7%増(5094台)、新型エクリプス・クロスを発売した三菱自は同54.2%増(3962台)とプラスを達成。

一方、好調だったSUVモデルの販売に一服感が出たマツダは同19.8%減(1万501台)。前年の12月は新型ロッキーの発売で販売成績が伸びていたためその反動が出たダイハツは、同42.6%減(2974台)と前年割れを記録した。

なお、2020年度で見ると前年超えを成し遂げたのはダイハツのみで、それ以外のブランドはすべてマイナスに落ち込んだ。

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