【誕生から60年】ジャガーEタイプ シリーズ1とシリーズ3を比較 3.8L直6x5.3L V12 前編

公開 : 2021.01.23 07:25

気持ちを高ぶらせるインテリア

一部では、この50台はすべて黒色に塗られていたと考えられているが、実際はブリティッシュ・レーシンググリーンも含まれている。クラシカルな細いワイヤーホイールではなく、クロームメッキのハブキャップに現代的なタイヤを履いている。

タイヤとホイールが違うだけで、見た目の印象も大きく異る。ペイズリー柄のシャツのように、ずっとモダンに見える。

ジャガーEタイプ・シリーズ1 3.8(1961〜1968年)
ジャガーEタイプ・シリーズ1 3.8(1961〜1968年)

2台のEタイプを並べると、シリーズ3の方が一回り大きいが、相関性は強い。フェラーリ・デイトナより全長は254mmも長いものの、実際は4685mmだから特に大きい方ではない。

シリーズ1のインテリアは、ドライバーの気持ちを高ぶらせるように仕立ててある。一列に並んだトグルスイッチ。黒の文字盤に白色に記されたスミス製のアナログメーター。細いウッドリムのステアリングホイールは、穴の空いた磨き込まれたスポークが支えている。

運転席から前を見れば、何本かの峰が伸びるボンネットが広がる。ただし、完璧なコクピットではない。

以前の経験から、シリーズ1のシートは長距離運転には向いていないことを知っている。身長が低いドライバーでも、フロントガラスの上端から頭の一部が飛び出てしまう。

シリーズ3でも、そんな特徴は変わらない。1970年代中頃に作られたクルマだが、基本設計はずっと古い。ロング・ホイールベースのシャシーで車内空間には余裕を持たせてあるが、広々とはいえないだろう。

この続きは後編にて。

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