【モダン2+2フェラーリの幕開け】フェラーリ612スカリエッティ V型12気筒のFR 前編

公開 : 2021.01.24 07:25  更新 : 2021.08.05 08:07

アストン マーティンより維持費は安い

「その時は、ランボルギーニと入れ替えることになりました。今はシルバーとこのブラックの、2台の612を所有しています。アストン マーティンより維持費は安いと思います」

ボディはデイトナ・ブラック。クリーム色のレザー内装が組み合わされ、シートはデイトナ・パターンが選ばれている。現在の走行距離は2万7000km足らず。OTOプログラムで販売された612スカリエッティは、英国では38台しかない。

フェラーリ612スカリエッティ(2004〜2011年)
フェラーリ612スカリエッティ(2004〜2011年)

「サスペンションのトラックロッド・エンドのヘタリを除けば、サスペンションやタイヤの重量も軽く、負担は少ない。セミATやクラッチの交換も、今まで不要のまま乗っています」

「この612のセミATは、初期のモデルと比べると改良が施され、ずっと良いです。ATモードのまま運転していても、充分許容範囲。スイスへの長旅は至福の時間でした。日常の足でははく、特別な時に乗っています」

普段用のボルボより大きい、全長と全幅には気を使うという。しかし彼のガレージには普通に駐車でき、612を日常的に乗れなくする現実的な理由は、1桁前半の燃費くらいだと話す。

612の周りを一周する。テールには直径80mmほどのマフラーが4本並び、20インチのピレリPゼロの内側には、鮮やかな赤の4ポッド・キャリパーが控えている。フェラーリであることを、静かに主張するように。

しかし、跳ね馬のエンブレムを見ない限り、フェラーリだと気付かない人もいるだろう。それをどう受け止めるかは、オーナー次第。今回の取材中、通りかかった1人はポルシェだと勘違いしていたほど。

この続きは後編にて。

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