【新型キャシュカイ生産で安泰?】日産 英国と欧州の貿易協定に「満足」
公開 : 2021.01.14 18:05
英国と欧州連合の間で交わされた貿易協定に対して、日産の英国法人は「満足している」ようです。合意なき離脱が行われた場合には、リーフなどを生産し7000人を雇用するサンダーランド工場の将来が危ぶまれていました。
英国での雇用は守られたか
日産は、英国と欧州連合(EU)の間で合意された貿易協定について「満足」しているという。
日産の英国法人を率いるアンドリュー・ハンバーストーンは、各ディーラーのマネージャーに送った書類の中で、この協定は「最終的にはある程度の確実性を当社に与え、地域全体での集団事業の成功を可能にする」と概説した。
日産のアシュワニ・グプタCOOは以前、ノー・ディール(合意なき離脱)の場合には英国のサンダーランド工場は「持続不可能」としていた。しかし、7000人を雇用する同工場では、第三世代のキャシュカイ生産のため4億ポンド(563億円)の投資を行っていることから、閉鎖の危機は避けられたようだ。
英国で最初のロックダウンが実施された際、ハンバーストーンはサンダーランド工場の操業を見直し、「ロックダウンにもかかわらず自動車を作り続けるだろう」と述べた。同工場では、クロスオーバーのジュークやEVのリーフも生産している。
ハンバーストーンはまた、世界で最も厳しい新車市場の1つである欧州での日産の将来は「明るい」と強調し、日本メーカーが徐々に存在感を減らしていくとの報道に反論している。
「引き続き『日産ネクスト』に沿って欧州で展開していきますが、これに反する憶測は根拠がなく、不正確です。この戦略は、電動化とクロスオーバーのラインナップという2つの柱によって支えられています」
さらに同氏は、今年中に新型キャシュカイと電動SUVアリアの登場を、販売を強化する2つのチャンスとして挙げている。英国における日産の登録台数は22%減少したものの、他社の落ち込みによってシェアを伸ばした。
日産が掲げる事業構造改革計画「日産ネクスト」では、固定費の大幅削減とグローバルでの生産能力の20%削減に取り組むとしている。日本、中国、北米を中心に展開し、欧州では事業を「持続」させるが、SUV等の利益率の高いモデルを中心としたコアモデルセグメントに重点を置く。