【Nボックスをホンダが緊急調査】ユーザー・非ユーザー1000人アンケート 興味深い「価格」に関する結果とは?
公開 : 2021.01.13 20:05
課題の価格は社内改革で変わるのか?
「現在のクルマに対する満足度」を聞くと、Nボックスは95%以上が6項目、90%~95%未満が5項目、80%台が2項目あり、これら13項目でNボックス・ユーザーがNボックス以外の軽ユーザーより満足度が高い。
そして、Nボックス・ユーザーで唯一の70%台(78.2%)が「価格」であり、Nボックス以外の軽ユーザーの83.6%よりも低い。
つまり、Nボックスに対して「やはり価格は気になるが、良いモノなので買って良かった」という結果に思える。見方を変えると、ホンダとしての新車値付けは正解だったともいえる。
それでも、ホンダ関係者からは「Nボックスの原価は高く、薄利多売」という声が聞こえてくる。そうした中で、本田技研工業(ホンダ本社)から本田技術研究所に開発委託するという、営業と研究開発の二極化を、二輪事業に次いで四輪事業でも2020年4月から両社の関係性を見直し、コスト管理の徹底へとホンダ社内の改革が進んでいる。
ホンダとして、良いモノを適正コストでより多くのユーザーに使ってもらう体制を目指す中で、社会情勢を踏まえると電動化を考慮した次期Nボックスが、コスト改革での社内ベンチマークになることだろう。
そのほか、ホンダは「今後の自家用車利用で重視していること」や「現在のクルマに対するストレス度」についても調査結果をまとめている。
「Nボックス愛」の強さ?
「今後の自家用車利用で重視していること」は、コロナ禍で乗用車利用が増加している現状とこれからを踏まえた設問である。
そのなかで、車内の除菌や抗菌仕様に対してよりも、長距離移動時の運転者と同乗者の快適性を重視する声が全ユーザーで高く、その中でNボックス・ユーザーはさらに高い。
それをホンダは、ニューノーマル生活に適合したクルマというまとめ方をしているが、ニューノーマル生活の定義も含めて、この点については更なる深堀り調査と検証が必要だと、筆者は思う。
また、「現在のクルマに対するストレス度」では、全項目でNボックス・ユーザーがNボックス以外の軽ユーザーよりも、ストレスが少ないという結果となった。
そのうえで、「クルマのある生活に対する生活満足度」では、ユーザー本人の生活満足度がNボックス・ユーザー(75.6%)、Nボックス以外の軽ユーザー(69.0%)。また、同居家族の生活満足度は、それぞれ69.4%と62.7%を示した。
こうした各種領域での調査をまとめる形で、「次回のクルマの乗り換え予定」として「次の同じ車種」を聞いている。
その結果、Nボックス・ユーザーは64.5%、Nボックス以外の軽ユーザーは54.5%となった。
ホンダとしては「3人に2人は『次もNボックスを買いたい』」としている一方で、今回の調査では軽全体としてのユーザーの満足度の高さを、多くの人があらためて実感する結果となったと思う。