【ジープなぜ売れる】キャンプ追い風 コロナ禍も前年比増 FCAジャパン全体も躍進 2021年はさらに攻め
公開 : 2021.01.15 11:22
ジープ以外も日本国内販売が好調
FCAとして日本国内販売が好調なのは、ジープだけではない。
まず、アバルトは2019年の2955台から2020年は3032台に上昇。特に第4四半期には前年同月比で44%増と大きく伸びた。
特長的だったのは、生産終了となった124スパイダーが前年比41%増の461台となったことだろう。
さらに、2020年11月には限定50台枠の595スコルピオーネオーロに549件の申し込みがあるなど、日本でのアバルト人気はとどまることを知らない。
フィアットでは、500と500Cが4005台となり、これで過去10年間に渡り4000台を維持するロングセラーとなった。
ライバル車であるフォルクスワーゲン・ポロ、ルノー・トゥインゴ、スマート・フォーフォーと比べて、長期に渡って安定した販売が続いていることは、ユーザーの500ブランドに対する信頼度の高さが証明されていると、FCAジャパンでは分析している。
アルファ・ロメオについては、コロナ禍での本社工場閉鎖の影響で秋まで販売店の在庫が制約されたが、改良モデルのジュリアとステルヴィオが健闘し、第4四半期で前年比41%増となった。
こうした、ジープ、アバルト、フィアット、アルファ・ロメオのFCA全ブランドが2020通年で販売好調だった背景には、大きく3つの理由があるとFCAジャパンは見る。
FCA販売戦略 2021年はどうする?
第1の理由は、際立ったデザインや商品改良が進む、魅力的な商品であること。
コロナ禍では、クルマを安全なモビリティとして見るだけではなく、ライフスタイルに合った楽しさを追求する人が増え、そこのFCAの商品がマッチすることが増えた。
第2に、SNSなどデジタルメディアを通じた、プッシュ型、または双方向型の積極的なマーケティング活動。
そして第3は、ディーラー網の拡充と魅力的な店舗開発だ。
これらに加えて、認定中古車制度を拡充し、認定中古車在庫を2019年の1500台から2020年には5300台へと拡大。
新車人気と高品質の中古車の拡充により、リセールバリュー(残存価値)がライバル車に比べて大きく上がったことが、新車販売に好循環を生んだ。
さらに、ライバル各社が追従したとFCAジャパンがみる、スキップローンの実施による販売の押し上げ効果も大きかったようだ。
こうして好調な2020年第4四半期の勢いを2021年にも継続させるため、特にジープでは現在の82拠点から2023年までに、東京、大阪、名古屋などの主要都市圏に加えて京都な兵庫なども考慮し100拠点化を目指す。
販売台数としては年間2万台を射程とすることを明らかにした。
モデルとしては、グラディエーターについては数か月後に詳細を発表予定で、またグランドチェロキー3列シートモデルは下期の販売予定だ。