【VW一番の稼ぎ頭】フォルクスワーゲン・ティグアン 1.5 TSIへ試乗 小変更 薄い特徴
公開 : 2021.01.22 10:25
ほかより秀でた特徴は見えにくい
150psと25.3kg-mを発揮するエンジンは、音が静かでレスポンスも良い。2000rpmも回せば、不足ない力が湧いてくる。1.5 TSIの場合、0-100km/h加速は9.9秒。フォード・クーガの方が0.2秒素早いが、大きな違いとはいえないだろう。
4気筒の1.5Lエンジンは気筒休止システムを搭載し、軽負荷時には2気筒の燃焼を止める。その動作はモニターで確認できるのだが、想像以上の頻度で気筒休止が働くことに驚いた。15.1km/Lという燃費を生んでいる理由の1つだ。
一方で、ティグアンには秀でた特徴というものが薄い。完成度は全方位で高く、ライバルのベンチマークといえるのだけれど。
乗り心地は、ライバルには届いていない印象。ライフ・グレードの場合、タイヤは18インチの35/55。サイドウォールは充分に厚く、鋭く隆起した部分を通過しても上手になだめられるように思える。しかもリアサスペンションは、高価なマルチリンク式だ。
ところが実際は、少し落ち着きに欠ける。かといって、ハンドリング重視ともいえない。
そう感じさせる理由が、ステアリングフィール。電動パワーステアリングは感触に乏しく、運転していることを意識しなくなるほど。ファミリーSUVだから、高次元なものは求めていないが。
フォルクスワーゲンというブランドは、それだけで期待値が高くなってしまう。それは、ティグアンでも同じ。
見た目はスマートで作りも良いから、沢山売れるだろう。ただし、ドライバーとして楽しめるクルマとはいい難いとは思う。英国ならフォード・クーガなど、ほかの選択肢も用意されている。
フォルクスワーゲン・ティグアン 1.5 TSIライフ(英国仕様)のスペック
価格:2万6750ポンド(374万円)
全長:4509mm
全幅:1839mm
全高:1675mm
最高速度:202km/h
0-100km/h加速:9.9秒
燃費:15.1km/L
CO2排出量:136g/km
車両重量:1510kg
パワートレイン:直列4気筒1498ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:150ps/5000-6000rpm
最大トルク:25.3kg-m/1500-3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル